研究所のヴォイストレーニングについて
1.魅力的な声って どんな声?
2.ヴォイストレーニングについて
1.魅力的な声って どんな声?
あなたの声、まわりの人の声をチェックしてみましょう。
1)暗くこもって前に出ていない気がする
2)何と言っているかわからないとよく聞き返される
3)かすれていて苦しく聞える
4)浅く説得力のない感じがする
5)すぐにのどがかわく のどがすっきりとしない
6)のどが疲れることが多い
7)声がうまく出るときとでないときの差が大きい
8)録音して聞いてみると、好感がもてない
9)カラオケにいくと、声でひっかかることが多い
10)よく言い損ねたり、言い直したりする
これらは、あまりよいとはいえない声やよくない声の出し方の特徴です。
次の声はどうでしょう。
強い、大らか、きれい、落ち着きがある、優しい
明るい、のびやか、まろやか、するどい
うるおいがある、心地よい、元気が出る
これらのような声は、うまくあなたのもつ声の力を発揮させたとき、聞く人のもつ印象です。
どちらの声をあなたは欲しますか。こういうふうな声の印象を、生まれつきのものと思っています。
しかし、声そのものも、また使い方も変えることができるのです。
あなたの体も息も正しく働いています。
少しでも狂ったら、あなたは生きてはいません。
しかし、声を正しく使うには、正しいトレーニングが必要なのです。
自分の声を うまく取り出してみましょう。
もっと、うまく、あなたの声が出せる原理があると思ってください。
それは普通の人の場合、あるときはうまく働き、ほとんどのときはうまく働かないのです。
あなたも日常の生活のなかで、きっとすばらしく個性的で魅力的な声を出しているときがあるはずです。ところが、その状態を意識的に保って使うことができないのです。
そのためにトレーニングによって、その状態を常に保てるようにし、あなた自身のなかにある、もっともよい声を使えるようにしていきます。さらに体の原理、つまり声をうまく出せる原理にそって、ますます声が魅力的に出せるようになります。
そのようなものとして、声は神様が与えてくれたものです。
声をうまく取り出すことさえできれば、誰でも魅力的な声になるのです。
始めは、なかなかわかりにくい練習メニューのように思えるかもしれません。
どんなにすばらしい声や歌を聞かせてくれる人々も、そこから入りました。
そして、長く時間と手間をかけ磨いていきます。あなたもじっくりと取り組んでいきましょう。
声の出し方、歌の歌い方に、プロとアマチュアの方法が別にあるわけではありません。
どのくらい正しくトレーニングをやったかによって違ってくるのです。
プロの人は、アマチュアにはできないようなテクニックを駆使したり、声量、声域ですぐれているように思えます。しかしそれは、わずかな部分でもっともすぐれているのは、声の扱い方と、感覚においてプロだということです。
しかし、誰もが最初からそうだったのではありません。
アマチュアの人の何倍もの量を基本トレーニングから費やし、確実に基本を踏まえてきた上に、表現の世界に応用していったのです。
つまり、毎日、トレーニングを続けていくことによってしか、声は身についていかないのです。
トレーニングは毎日、少しずつでも続けていけば、必ず効果があります。
だからトレーニングというのです。
難しいのは、このあたりまえのことをあたりまえに続けるということです。
あなたは歌が好きで、もっとうまく歌いたいために、声をもっと魅力的にしたいがために、トレーニングに関心をもったのでしょう?歌がうまくなることも、声がよくなることも、とても嬉しいことです。
それはあなたをポジティヴに魅力的するばかりでなく、自分の表現を世に問える人間に、変えていく可能性を持ってます。それならば、トレーニングだって、きっと楽しくできるでしょう。
ジョギングをするように、釣りを楽しむように、楽器を楽しむように、お風呂に入るように、トレーニングを日常に溶け込ませてください。
ときにはうまくいかなかったり、難しくて立ち止まるときもあるでしょう。
しかし、上達する人ほど、何度も大きな壁にぶつかり、そこをがんばって乗り越えたから、人にうらやましがられるほどのよい声、よい歌を手に入れたのです。
このことを決して忘れないでください。
2.ヴォイストレーニングについて
■音声を舞台(ライヴ)で表現するための基礎トレーニングをする場
「ここにくるまでの呼吸法(腹式呼吸)や発声法って何だったのだろう」
ヴォイストレーニングや発声、歌を教えてくれるところは、いろいろとあります。
それを実際に利用して、本当に声が出るようになった人は、あまりお目にかかりません。
これまで声や発声に悩みを持つ多くの人に会ってきました。
しかし、声が出ないからという理由のまま、いくらやっても上達しないし、 歌や芝居にも、限界を感じてしまうことによります。
人間の声は、その人のもつ体から出るのです。
どんな分野のプロでも、一声、聞いてわかる深く輝く声が必要です。
しかし、多くの人は声を出すという原点を顧みずして、今もっている声の中で
何とかそれらしい形をつけようという、小細工をして歌っている場合がほとんどです。
歌を何曲覚えたとか、マニュアルを何冊終えたというのは、ステージや舞台で、一声で観客を感動させるヴォーカリストや役者の力とは、まったく関係ありません。
まず、必要なのは、自分の表現したいことを思う存分伝えることのできる、本当に体の底から出る声、そしてそれを思いのままに使える技術なのです。
ここのヴォイス・トレーニングは、その点をはっきりと踏まえ、本当に歌や声を愛し、いつまでも声で表現していきたい人のために、徹底した基本から、それぞれの個人に応じた方法で、声をつくっていくことを重視しています。
本当の充実感が得られるのは、自分の進歩を実感として捉えられるようになっているからです。
ヴォーカル、声優、役者など、声をプロとして使う人なら、どなたも受け入れています。
■福島英とブレスヴォイストレーニング
私たちのヴォイストレーニングの本は、 シンコーミュージック、リットーミュージック、音楽之友社、岩波書店など、日本を代表する出版社で出版されてきました。
しかも、その多くは、この分野では珍しく、増版を重ね、ロングセラーとして100万人以上の方に愛読され使われてきています。その実績は、業界に高く貢献し、評価されてきました。それだけ多くの人々に支持されているのです。
ここのヴォイストレーニングは、人間の音声を肉体芸術として、体から基本を捉え、発声のみならず、科学や心身の運動学をも応用して、確実に効果をあげています。
しっかりとした理論に基づいてつくられているから、初心者に自信をもって勧められるのです。
プロや指導者も、学ぶものがあるからいらっしゃるのでしょう。
レッスンを受講される方の中には、5年、10年いらっしゃる方もいます。
半年や一年で辞める人が多いヴォイストレーニングの中で、ここの平均在籍年数の長さと、その確かな効果は、誇れるものと思っています。
声の表現も芸です。
芸は基本があって開花するものです。