新・声ことばのヴォイストレーニング200メニュー

CONTENTS:  MENU1-200


MENU1

○声のチェックをする

次のチェックをしてみましょう。( 年 月 日)
1.ことばは、はっきりと聞こえるか。
2.息が自然に流れ、無理がないか。
3.声に潤いとつやがあるか。
4.若々しく魅力的な声であるか。
5.息苦しさが感じられず、安定しているか。
6.息のもれる音やかすれる音が入っていないか。
7.声が前にひびいているか。
8.音域にも音色にも余裕があるか。
9.小さな声も大きな声もまんべんなくきちんと聞こえるか。
10.体から声が出ていて、のどをしめつけていないか。


MENU2

○原稿を読んでチェックする
それでは、次の文章を読んでみて、それを録音しましょう。そして、聴いてみましょう。

『読むのでなく伝えるための声』
「うまく伝えることをめざすのであれば、教科書を棒読みするようにではなく、人に伝わるように、声で表現できなくてはなりません。大切なことは伝えることであり、読むことではありません。文字を棒読みしているだけでは、伝わりません。かといって効果を計算したり、感情を移入するとわざとらしくなるのが関の山です。基本の力がないと、何十回、読んでも、プロのようには聞こえないのです。それでも、何百回読むと、必ずよくなります。」 

□声は、プロのように聞こえ、魅力的で個性的な声か 
□発音、ことば、アクセント、イントネーションが正しいか 
□つっかかったり、言い間違えたり、流れが滞ったりしていないか 
□わかりやすくインパクトがあり、表現・感情のこもった表現か 
□音声でもれなく内容が伝わっているか 
□無駄やミスもなく、最高の表現を出せたか 
□聞いたあとの感じがよいか、安定していたか


MENU3

○声のマナーのチェック
下手な話というのは、内容よりも伝え方の未熟なせいです。それは基本的なことを踏まえていないからです。特に姿勢は、声に直接、影響してきます。次のようなことをしていないか、チェックしてみましょう。

□聞く人を見ていない
□下ばかりをみて話す
□表情が暗い
□聞きとりにくいことばが多い
□一本調子で切れ目がない
□だらだらしている
□独り言のようにみえる
□口が動いていない
□声が小さくて聞きとりにくい
□何度も言い間違える


MENU4

○話と声のチェックポイント
話と声についてチェックしましょう。
最初は、他の人のをチェックして、次に自分についてチェックするとやりやすいでしょう。

(よい例)
□態度がよい
□姿勢がよい
□熱意がある
□テンションが高い
□自信がある
□ていねいである
□一所懸命さが伝わる
□誠実そうだ
□慣れている

(悪い例)
□だらしない
□自信がなさそう
□テンションが低い
□見下しているようだ
□平坦、一本調子
□早口すぎる
□テンポが遅すぎる
□語尾の切れが悪い


MENU5

○声の判断基準について知る

□声の大きさが適切だ (大小)
□声のメリハリがある (強弱、イントネーション)
□声のスピード(テンポ)がよい (ペース)
□声のトーン・声質がよい (発声)
□流れや歯切れがよい (アーティキュレーション)
□発音がよい (アクセント)
□間がよい (呼吸、表現)


MENU6

○よい声とはどういう声かを考える

□大きい
□ひびく
□安らぐ
□落ち着ける
□ゆったりしている
□安定感がある
□心地よい
□リズムがある
□楽しい
□明るい
□元気が与えられる
□聞きやすい
□ことばがはっきり聞こえる
□滑舌がよい
□つっかえない
□迫力がある
□色気がある
□精神性が感じられる


MENU7

○悪い声とはどういう声かを考える

□小さい
□かすれている
□安らがない
□落ち着かない
□せわしない
□不安定
□不快
□リズムが悪い
□ハリがない
□元気がない
□暗い
□聞きにくい
□ことばがもごもごしている
□滑舌が悪い
□よくつっかえる
□弱々しい
□事務的
□こもっている


MENU8

○声のよくない人をじっくりと観察する
次のような点について考えていきましょう。
1.何がよくないのか(不快なのか)
2.(その人は)どう直せばよいのか
3.自分についてはどうか
4.自分はどう直せばよいのか

それから、もう一度、声のよい人をみて、
1.その人はどのようにしているか(その人なら、どのようにするか)
2.それはどうしてなのか
3.自分はそれができるか
4.自分にとってもっともよい直し方はどうなのか
この繰り返しをしていくだけでも、声の欠点は、かなり直るはずです。


MENU9

○声のイメージトレーニング
まず、人前に立っている自分をなるべく具体的にイメージしてみましょう。
1.いつ
2.どこで
3.誰と(誰の前で)
4.何を(話そうとするのか)
5.どのように(話そうとするのか)

あなたの前には、あなたの話を聞きにきた人がいます。そのイメージを思い浮かべて話をしてみるのです。
できたら、声を出して行なうとよいでしょう。これを録音(できたら録画)しておきましょう。
誰かに語りかけるつもりでやってみましょう。それを再生してチェックしましょう。


MENU10

○相手との距離と声の大きさを意識する
1.50cm 小さく
2.1m ふつうに
3.2m 少し大きく
4.3m もっと大きく
5.10m 大きく (マイクを使用するときは、マイクを使ってチェックします)


MENU11

○相手別に声を使い分ける
1.先生、上司
2.同僚
3.家族
4.子供たち
5.赤ん坊

相手の数や場の形式をふまえるのも大切です。
1.対話 1:1 電話、応対、交渉のとき
2.ミーティング 1:2〜多 会議、討議のとき
3.スピーチ 1:多 集会 パーティのとき


MENU12

○あがり防止法
あがり防止対策をいくつかご紹介しておきます。
□正攻法は、自信をもって話せるように、練習を積むことです。
□会場をあらかじめ見ておき、できたら前に(話すところに)立ってみること。
□他人が話すときもいっしょに話しているつもりでリハーサル(疑似体験)をやっておくこと。
□お客さんの中の一人に聴かせるつもりで、マイクのなかに向かって、あるいは自分に言い聞かせるようにします
(「お客の顔をカボチャだと思え」と言われる)。
□手のひらに人と書いて三度、飲み込む。
□震えがきたら、全身に一度、力を入れてから脱力する。
□ひざがガクガクするようなら、足の親指にしっかり力を入れてぐっと曲げてみる。あるいは、ひざの屈伸運動をしてみる。
何よりもよいのは、深呼吸することです。まず、大きく息を吐きます。すると、ゆっくりと入ってきます。


MENU13

○第一印象をよくする
話は、最初の五分間で聞く人の評価はほとんど決まります。つまり、あなたの声からも、相手は次のようなことを感じるわけです。
□頼りない
□安心だ
□信頼ない
□信頼できる
□自信なさそう
□自信をもっている
□いばっている
□謙虚、礼儀正しい
ですから、できる限り、明るく元気な声を使いたいものです。


MENU14

○第一声の声の出し方
初対面では、自分だけでなく、相手も緊張しています。それをほぐし、ホッとさせることが必要です。自分のペースにもっていくのに、決して急がないことです。
スピーチなら、会場をながめ、数秒間の空白時間をつくります。皆が自分に集中してから、切り出しましょう。
相手が集中するのには、二〜三秒の間をあけて、「イチニイのサン」くらいでスタートします。
出だしは、声は低めにして、ゆっくりと落ち着いていることをアピールしましょう。 「えー」「えー…」「みなさんええですか…」「まあ、そのお」くらいは、許されるでしょう。


MENU15

●話の切り出しのトレーニング
明るくさわやかに言ってください。ゆっくりと落ち着いてやりましょう。
1.「みなさん、こんにちは」
2.「おはようございます」
3.「はじめまして」
4.「ご無沙汰しております」
5.「いいお天気ですね」


MENU16

○相手や話の目的で声を使い分ける

話には聞く人がいます。また、話の対象や目的によって、声の使い方も大きく違ってきます。
聞く人にわかりやすく伝わるように、声もケースバイケースで使い分けていかなくてはいけません。
あなたが、同じ話をするとしても社長にするときと子供にするときとは、全く違ってくるでしょう。

1.相手は誰か 2.伝えることは何か
 これによって、語り口や声の感じを変えるのです。さらに相手のタイプ、気質、気分にも柔軟に合わせたいものです。話す立場や内容によっても、どこまでくだけてよいのかなどには、許容範囲もあるでしょう。
言いたいことを相手に伝えるために、どういう声を使えばよいのかを考えてみましょう。


MENU17

○相手別に声を使い分けるトレーニング
相手別に声をどう使うのかを考えてみましょう。
1.社長 2.上司 3.部下 4.同僚 5.父親 6.母親 7.子ども 8.友人
目的別に声をどう使うのかを考えてみましょう。
1.報告 2.あいさつ 3.指示 4.応答 5.お詫び 6.クレーム 7.お願い 8.注意
この二つを組み合わせて、使う声について考えてみましょう。

○相手の年齢によって、声を使い分ける 
□若い…語りかけ調 ・・・EX.ごくろうさん
□同年齢…同調 ・・・EX.お疲れさん
□年配…ゆっくり、やさしく ・・・EX.お疲れさまです


MENU18

○立場によって声を使い分ける(1)
□講師として
□参加者として
□主催者として
□招待客として
□接待役として
□店員として
□プレゼンテーターとして
□受付係として
□幹事として
□部下として


MENU19

○立場によって声を使い分ける(2)
「本日はありがとうございます」を下記の立場で言ってみましょう。
1.司会として
2.招待客、ゲストとして
3.上司に
4.部下に


MENU20

○聞く人の態度を察するトレーニング
□目線
□顔つき
□笑い
□状態(リラックスしている)

1.理解度 □難しいと思っている □簡単と思っている
2.興味  □高まっている □持続している □消失している
3.ノリ  □あり □今ひとつ □なし


MENU21

○声での転換のトレーニング
ことばとともに声を変えることで、内容の転換をスムーズにできます。
<話をそらすとき> 「ちょっと脱線しますが」 「あ、そういえばちょっとこんな話があります」
<話を戻すとき> 「では、話を戻しまして」 「もとい(古い)」 「ちょっと話がそれましたね」


MENU22

○話を切り替えるときの声の使い方
声で次のような変化をさせてみましょう。
1.ゆっくりと
2.おもむろに
3.声をひそめて
4.息声をまぜて
5.低い声で


MENU23

○話に信頼性をもたせる声の使い方
話に信頼性をもたせるためには、話し手の態度に加え、声の使い方で補えます。
話のなかで、あまりに調子よく、よい話ばかりが続くと、まゆにつばもつけたくなります。
そういうときは、少し声を落としましょう。(低くして、ゆっくりと)いくつかの欠点も、あえて伝えるとよいでしょう。これは、結果として、よいところを強調して伝えることになります。
話にはいろんなタイプや切り出しがあります。ときに警告や不安をあおることにも、声はとても有効に使えます。


MENU24

○話の終わり方
「それではまとめておきます」、「本日、話したことは○○でしたね」のように、きちんとした声で、話を終わらせます。
□「終わりにします」とは言わなくてよい
□だらだら語りつなぐのはよくない
□終わるまえに、終わることを匂わしておくとよい


MENU25

○まとめることばのトレーニング
1.「要するに、これまで私の話してきたことは、一言で申し上げると…」
2.「本日の話のポイントは…」
3.「これまでの話をまとめてみますと、…ということになります」
要点を強調し、要領よくまとめましょう。


MENU26

○締めのことばのトレーニング
1.「本日は貴重なお時間をいただきありがとうございました」
2.「ご静聴ありがとうございました」
丁寧に、感謝の気持ちを込めて言いましょう。


MENU27

○強く主張するエンディング
 願望の結び、決意の表明というエンディングもあります。雰囲気を盛り上げて、力強く短く結ぶのは、選挙演説でおなじみですね。 それに対して、問題提起型というのは、断定せず、聞く人に考えてもらうときの、エンディングです。自分の結論を強いず、考えてもらうのです。

1.決意表明型
「必ずお役に立てます!」
「皆様のお力添えにかかっています!」
「皆さんのご協力を切に望むしだいであります!」
「私は○○ということを肝に命じ、断固として、○○する所存です!」
「必ずしや○○であると信じています」
「この決意で一杯です!」
「○○○○でありたいものです!」
「○○○を、ここでお約束致します!」

2.問題提起型
「これからは皆さんは○○してください」
「○○していこうではありませんか」 


MENU28

○来客への挨拶と別れ際のひとことのトレーニング
ていねいにゆっくりと名残し惜しさを声ににじませてみてください。
「遠いところお越しいただきましてありがとうございました」
「寒い中をご来社いただきましてありがとうございました」
「本日はお忙しい中をわざわざお運びいただき恐れ入りました」
「わざわざご足労いただきましてありがとうございました」
「では、明後日にお待ちしておりますので……」
「では、あとはよろしくお願いいたします」
「部長の××さんにもよろしくお伝えください」
「お気をつけてお帰りください」
「では、ご連絡をお待ちしております」


MENU29

○手本とするプロのスキルを盗む
プロの話や声の使い方から職業別に、特に学ぶべきところを示しました。それぞれに特色がありますね。
□アナウンサー〜 アクセント、イントネーション、正確さ、メリハリ、標準語
□役者〜 ジェスチャー、表情、パワー、インパクト、声質、スピード、表現
□声優〜 発音、声色、表現、個性
□落語家〜 語り口、伝え方、動作、間、ユーモア、表現
□DJ、パーソナリティ〜 コミュニケーション術
□朗読家〜 イメージ、語り、声質
□講演家、インストラクター〜 構成展開、内容
ここでは、彼らのテクニックをいくつか学びましょう。


MENU30

○人前で話すときに覚えておくと、間をつなげることば
1.「聞こえますか、一番、遠くの人? はい。 では、話し始めます」
2.「なんだかわからなくなってきましたね」
3.「…ときまして、これが私の専門ですから」
4.「−のようなものです」
5.「−みたいな」「−という感じです」
全体と部分、スタンスをうまくつかまえておくことです。


MENU31

○声のテクニックのいろいろ
文頭をたたみかけ、文末はゆっくりと抜くと、わかりやすく聞こえます。ビリッとした声で入り、ピークは低音で息をまぜていうとよいといいます。間は充分に保ち、たたみかけと、間で、話を強烈に伝えましょう。どんなに気のきいたことばでも、声の力が伴わないと、効果は半減します。肩の力を抜きましょう。両手を効果的に使いましょう。
・呼びかけ調を使う  「あなたの」「みなさんの」「わたしたちの」
・軽い例をあげて重々しさをとばす  「−さえすれば○○できる」
・質問話法  「このなかでパソコンをお持ちの方…」


MENU32

●声で相手をじらせ、ひきつける効果をねらうトレーニング
1.「あとで述べますからね」
2.「もう少し先で教えましょう」
3.「ここからが大切なんですよ」
4.「さて、どうなるでしょう」
5.「ここまでは、誰でもわかりますね」
6.「それでは、本題です」
7.「今日はここから十五分だけ、しっかり聞いてください」
8.「これまでは序論、ここからですよ、大切なのは」


MENU33

●得した気分を与えるトレーニング
1.「ここだけの話ですがね」
2.「誰にも言ってはいけませんよ」
3.「あなただけに話しますけどね」


MENU34

●人をひきつける出だしのトレーニング
1.「おもしろい話なんですが」
2.「耳よりな話なんですが」
3.「とっておきの話ですが」
4.「ここだけの話ですが」
5.「オフレコですが」


MENU35

●話に期待をつなげるトレーニング
1.「次はもっとおもしろいですよ」
2.「こうなんですよね」
3.「実は、ですね…」
4.「それではこれをみてください」


MENU36

●クッションことばのトレーニング
1.「厳しいことを言うようですが、」
2.「誰でも人ごとだと思っているんですね。これが…」


MENU37

●断定することばとその言い方のトレーニング
次のことばは、強い口調で使ってこそ効果をあげます。
1.「きっと」
2.「断じて−ない」
3.「またとなく−」
4.「とっても」
5.「たいへん」
6.「すごく」
7.「ひじょうに」


MENU38

○ひかえて強調する
ひかえめ、わざと弱めるのも効果的です。たとえば、程度を表わすことばも「すごく大きい」よりも、やや手前でセーブするとよいでしょう。
1.「○○の次くらいに大きい」
2.「日本で二番目くらいに新しい」 


MENU39

○テンポとスピードを変える
話し方のテンポは決まっているものではありません。聞く人によっても、話の難易度によっても違ってきます。これは、話し方のメリハリや話し手のスタイルによります。
テンポは速くなったり遅くなったりしてもよいでしょう。聞く人にとってわかりやすくなるように工夫することです。単調で退屈で眠くならないように、相手の気持ちになって、うまく変えることです。


MENU40

○スローテンポのトレーニング
難しい話をわからせるとき、また相手を反省させたり納得させる必要のあるときには、ゆっくりとかんでふくませるように話します。
・難しい(話や箇所)、抽象的、数字・専門用語、ポイントなど。
・特に相手が初心者、外国人、一般の人のいるところ、メモ、ノートする人の多いときなど。


MENU41

○アップテンポのトレーニング
相手があまり聞きたがらない話は、スピードをあげます。簡単、重要でない、具体的、わかりやすいところ。
その話について、もっと詳しい人がいるところや自慢話など、早く切り上げたいところではなおさらです。 


MENU42

○テンポを変えていうトレーニング
次の文を、1.ふつう、2.速く、3.ゆっくり と、三通りで読んでみましょう。
「スピードは速くなったり遅くなったりしてもよいでしょう」


MENU43

●声に表情をつけるトレーニング
たっぷりと表情をつけて言ってください。
1.「私は、とてもうれしく思っています」
2.「お世話になりました」
3.「よい経験になりました」


MENU44

●たたみかけるトレーニング
テンポをあげ、ハイテンションでピーク、サビを出しましょう。
テキ屋、もの売り、フーテンの寅サンなどのタンカを参考に、勢いよくたたみかけてください。
1.「はいはい、どんどん、買ってちょうだいね」
2.「それはね、一番いいよ」


MENU45

●ツッパリのトレーニング
断定的に言って、強いひきつけをねらいます。やりすぎると、反感をもたれますが、こうして緊張感を合間で喚起させることは、有効なことです。そのあとに、やさしくゆっくりと声を使うと、より効果的になります。緩急の緩と急を、うまくどこかに入れていくわけです。きっぱりと断定してから、ふつうの言い方に戻してください。
1.「いりません。でも、時間をいただければ、検討いたします。」
2.「いけません。気をつけてください。」


MENU46

●嘆願するトレーニング
あまり卑屈にならないことです。人柄や性格にもよりますが、相手によっては、それが効果的なこともあります。気持ちを込めて言ってみましょう。
1.「お願いですから、残してください。」
2.「助けると思って、お決めください。」


MENU47

●下手に立っていうトレーニング
聞く人はお客様、お客様は神様と、常にうやまうことです。敬語をベースに使い、相手の尊厳に配慮します。嘆願してみましょう。
1.「何卒、ご容赦願えませんでしょうか。」
2.「どうか、お許しください。」
3.「失礼致しました。」


MENU48

●ことばに緩急をつけるトレーニング
/のついているところまで速く、//のついているところまでゆっくり言ってみましょう。
1.「あなたの上司は/ここから遠く離れたニューヨークの郊外に//住んでいます。」
2.「私は/いつも//あなたのことをずっと//思っています。」


MENU49

●強調(プロミネンス)トレーニング (1)
低く、弱く読む  次の下線部に−のついたことばを、声を低く弱く、小さな声にして読んでみましょう。そのことばの意味を強めるように、声に気持ちをこめます。
1.「お客様が ずぅっと 迷っているときは 声をかけましょう」
2.「会議で どんどん 発言をしましょう」


MENU50

○伸ばして読むトレーニング
次のように一つの声を長く伸ばすと、そのことばの意味が強調されます。
次の下線部に−のついたことばの意味を強めて言いましょう。
1.「そんな バカな話があるものですか」
2.「時間はまだ たっぷりと あります」


MENU51

○速く読むトレーニング
次の下線部に−のついたことばを、声を速めて(早口で)、意味を強めてみましょう。
1.「わたしの勘が ぴたりと 当たった」
2.「そんなこと 知るわけないでしょう」


MENU52

○強調箇所を変えるメニュー
「私は(1)、午後一時に(2)、会議室で(3)、営業部長と打ち合わせをします(4)」
1.誰が行くのですか (1)
2.いつ、行くのですか (2)
3.どこに行くのですか (3)
4.何をしに行くのですか (4)
この四つの疑問のどれに最も強く答えるかによって、それぞれ際立たせたいところ、プロミネンスがおかれるところが違ってきます。 


MENU53

○抑揚と強調のトレーニング
「あなたの先日の企画は とてもよいと思います」
これを、語調、語気、語勢、間をいろいろと変えてやってみましょう。
1.語調 高低 高い−低い
2.語気 強弱 強い−弱い
3.語勢 緩急(テンポの変化) 早い−ゆっくり
4.間 「企画は」であけましょう。
その前後の音の高さに気をつけましょう。そこで、ことばを発見し、感じることです。
ことばの一つひとつに情感が入るような表現ができるためには、声、ことばに強い関心をもって、感じることです。こういった音の世界の動きに、感性での快さを捉えていくことが、上達への道となります。


MENU54

○緩急の表現のトレーニング
緩急は、普(普通)→緩→急→普→緩→急→普とつけます。
緩では、感情を抑制し、急で、感情を解放します。
 「ゆっくりとつたえる」
1.ゆ っ 、く り 、と 、つ、た、え、る
2.ゆ っ く り と、、つ た、 え る
3.ゆっ・・・く・りと、つた、える


MENU55

○フレージングを保つトレーニング
「すべての案件が昨日の会議で可決されました」
これを一つのフレージングの流れのなかで言いきってみましょう。
このとき、1つひとつのことばを体でしっかりと押え、すべてのフレーズをそのことばの流れの上で1本化してとらえます。バラバラに口先からどこへ飛んでいくかわからないようにガナリたててはいけません。方向はひとつ、その声で一つひとつのことばをたたみかけるようにしっかりとつないでいくのです。


MENU56

○フレージングを正しくいうトレーニング
ことばのメリハリから、フレージングを考えてみましょう。
「いつもの会場で開催いたします。」
1.「いつものか、いじょうで」
2.「いつもの、かいじょうで」
3.「いつも、のかいじょうで」
これも、「いつものか、いじょうで」と聞こえないように、「いつも の 会場 で」としっかりと伝えましょう。
どうですか?大分感じが違ってくるでしょう。


MENU57

○口上を聞いてみよう
相手を退屈させないように、日本語をうまく立ち上げている例としては、落語の語り口や、漫談、大道芸人、たたき売りの口上、もの売り(金魚や、トウフや、青竹や、石焼売)、舞台役者のせりふなどがあります。
このあたりに、日本語をことばとして生き生きとさせる大きなヒントがあります。
子供が、おもちゃを買って欲しくて、「おかあ!さん!」という言い方は、生きていることばだから、人に働きかけるのです。


MENU58

●自然な声にするためのトレーニング
・息と声をミックスさせるトレーニング
 体から深い息を出したあと、そこにうまく声を合わせるようなつもりで声を出してください。
1.「ハーアー」 2.「ハーエー」 3.「ハーオー」 4.「ハーウー」
・声で伸ばすトレーニング
1.「アーー」 2.「ハアー」 3.「フゥー」 4.「へエー」 (各20〜30秒) 
・自然な声で読むトレーニング
情景を思い浮かべて、ゆっくりと読んでください。
1.「今日は気持ちのよい朝ですね。」
2.「すっかり晴れましたね。」
3.「どうも雲行きがよろしくないようですね。」


MENU59

○くせのない自然な声の使い方にするメニュー
1.「ただいま」
2.「こんにちは」
3.「さようなら」
4.「どうもありがとう」
5.「すみません」

○応用例文トレーニング
1.「ただ今戻りました」
2.「お先に失礼します」
3.「お疲れさまでした」
4.「失礼いたします」
5.「恐れ入ります」
6.「お先にいただきます」
7.「ご馳走さまでした」
8.「ちょうだいいたします」
9.「そろそろおいとまいたしますので」


MENU60

○明るくさわやかに、元気を与える声のトレーニング
1.「ありがとうございます」
2.「おはようございます」
3.「いかがでしょうか」
4.「いらっしゃいますか」
5.「よろしくお願い致します」


MENU61

○口のトレーニング
1.口を大きく開ける
2.あくびをする
3.前歯をむき出す


MENU62

●唇のトレーニング
1.唇を閉じて、パ・バ・マを発音します(呼気圧の高い順に)。
 パピプペポ・バビブベボ・マミムメモを繰り返す
2.唇を閉じて、上下の唇を交互に前に突き出す
3.歯を合わせたまま、歯並びがすべて見えるように開き、閉じる


MENU63

●ことばをはっきりさせるトレーニング
・「イエアオウ」でのトレーニング
1.「イ」の口形で、「イエイアイオイウ」を言う。(明るい「イ」の音でやります。)
(明るい方から暗い順に、「イエアオウ」となります。子音なら、tがイの位置にきます。)
2.「ガナタラバパ」をくり返す。(タラは、舌先で発します)
3.「バベビボブ、パペピポプ、マメミモム」をくり返す。
(声をのみ込む状態、奥の方でしゃべっているようなら、軟口蓋と歯にもってきて、唇を使う音で顔面にもってくるようにします。(バ、パ、マ行がよいでしょう)


MENU64

○会ったときのあいさつのトレーニング
1.「はじめてお目にかかります」
2.「お目にかかれて光栄です」
3.「お見知りおきくださいませ」
4.「ご挨拶が遅れましたが・・・・、××と申します」
5.「申し遅れましたが・・・・、××でございます」
6.「奇遇ですね」
7.「珍しいところでお目にかかりましたね」
8.「ごぶさたしております」


MENU65

○温かい気持ちで応対する声のトレーニング
1.「はい」
2.「ようこそいらっしゃいました」
3.「こんにちは」
4.「いらっしゃいませ」
5.「かしこまりました」


MENU66

○表情のトレーニング
次のトレーニングを、自分でいろいろと組み合わせて、メニューをつくってみるとよいでしょう。
・眉毛のトレーニング
1.思いっきり眉毛をつりあげる
2.しかめっつらをして、眉毛を下げる
・頬のトレーニング
1.頬に呼気を送り、ふくらませ、その後、両頬を吸い込む
2.頬の左右、上歯ぐきの上方、下歯ぐきの下方と4方向を部分的にふくらませる
・眼のトレーニング
1.力強く眼を閉じ、開く
2.眼を左右、上下、左回り、右回りと動かす


MENU67

○硬い声をやわらかくするトレーニング
硬い声に聞こえる人、ゆっくりと「アー」と伸ばしたとき、「アッ」と硬い音が入る人は、声門を急な息がこじあけているのです。
1.「マメミムメモマモ」
2.「マメミモムミメモムマ」


MENU68

○感情を入れて、せりふを読むトレーニング(1)
感情を込めて言ってみましょう。
1.「とても、うれしかったです。」
2.「でも、勇気づけられました。」
3.「とてもおいしいですね。」
4.「あのときは楽しかったです。」


MENU69

○感情を入れて、せりふを読むトレーニング(2)
1.「承知いたしました」
2.「どうぞおかまいなく」
3.「ようこそおいでくださいました」
4.「お待ちしておりました」
5.「〜いたしかねます」(わかりかねます)
6.「恐縮です」
7.「もったいないおことばです」
8.「皆さまのお力添えのおかげです」
9.「とんでもないことです」


MENU70

○疑問、尋ねる、お伺いをたてる声のトレーニング
1.「少々、お伺い致しますが……」
2.「いかがでしょうか」
3.「ごめんくださいませ」
4.「よろしゅうございますか」
5.「さしつかえなければ……」


MENU71

●かすれない声にするトレーニング
1.弱く「ハア〜」と民謡調で入ってください。
2.「ナア」「ナハア」でやってみましょう。
3.「ワイワイワイ」(母音と子音を口前につなぐ)


MENU72

●かすれた声をかすれにくくするトレーニング
 「ン」から発声練習をしましょう。
1.「ンガーンゲーンギーンゴーングー」
2.「ンマーメーミーモームー」
3.「ンマンメンミンモンムン」


MENU73

●長いことばのトレーニング
声に張りがなくなると、もたなくなります。最後までメリハリをつけて言ってみましょう。

「寿限無」
「じゅげむじゅげむ、五こうの摺り切れ、海砂利(かいじゃり)水魚(すいぎょ)の水行末(すいぎょうまつ)、電来松(うんらいまつ)・風来末(ふうらいまつ)、食う寝る所に住む所、あぶらや小路のぶら小路、パイポパイポ、パイポのしゅうりん丸(がん)、しゅうりん丸のぐりんだい、ぐうりんだいのポンポコピーのポンポコナァの長久命(ちょうきゅーめー)の長助。」

「たちらね」
「自らことの姓名は、父はもと京都の産にして、姓は安藤、名は敬三、字(あざな)は五光(ごこう)、母は千代女(ちよじょ)と申せしが、三十三歳の祈りある世、丹頂の鶴の夢を夢みてはらめるがゆえに、たらちねの胎内を出でし時は鶴女と申せしが、成長の後、これを改め、清女(きよじょ)と申し侍るなりィ。」
◎セリフを人にきかせるつもりで感情を入れて読んでみよう。


MENU74

○電話をかけるときのトレーニング
1.「××社の××でございます」
2.「いつもお世話になっております」
3.「先日はありがとうございました」
4.「××さんをお願いいたします」
5.「××さんに注文の件で、おうかがいしたいのですが」
6.「いつもお世話になっております」
7.「今、少しお時間、よろしいでしょうか」
8.「ではよろしくお願いいたします。失礼いたします」
9.「お忙しいところ、ありがとうございました」


MENU75

○お礼、感謝を伝える声のトレーニング
1.「ありがとうございます」
2.「ありがとうございました」
3.「よろしくお願いします」
4.「いつもお世話になっております」
5.「お世話になりました」


MENU76

○舌の動きが鈍い場合のトレーニング
舌が邪魔したり、あごしか動かしていないのが原因のこともあります。舌が長すぎる人もいます。
こういうときは、舌の動きをトレーニングしましょう。「タカラ」と繰り返してみましょう。


MENU77

○声を伸ばすトレーニング
アとザの音で声を伸ばします。
1.「アー(ザー)」10秒で5回
2.「アーー(ザーー)」20秒で2回
3.「アーアーアー」30秒〜40秒


MENU78

○共鳴をチェックするトレーニング
息をもらさず声にしてみましょう。
1.「サセシスセソサソ」
2.「サセシソスシスセソサ」
確実に声にするために、「ホ」や「ハ」で、短くお腹で切るトレーニングをします。
3.「ホッホッホッ……」
4.「ハッハッハッ……」
少し高めに、口の奥の方にあてて、のどにかけないように注意しましょう。


MENU79

○例文トレーニング
1.「どうもありがとうございます」
2.「誠にありがとうございました」
3.「お礼の申し上げようもありません」
4.「どうかよろしくお願いします」
5.「ご親切に感謝いたします」
6.「いつもお世話になっております」
7.「××の紹介でおうかがいいたしました」
8.「その節は大変お世話になりました」
9.「お世話になりまして、ありがとうございました」


MENU80

○礼儀正しく、畏敬を持って伝える声のトレーニング
1.「いつまでもお変わりありませんね」
2.「お変わりなくて何よりです」
3.「素敵なお召しものですね」
4.「お似合いの色ですね」
5.「その後、お体の具合はいかがですか」


MENU81

●落ち着いた声で英語をいうトレーニング
1.「How do you do?」「Fine. Thank you.」
2.「Good morning, have a nice day!」
3.「Thank you so much.」「You’re welcome.」


MENU82

●母音の口の開け方のトレーニング
口の奥がのどの方まで広がる感じであくびをしてみてください。
その口のかたちを変えないで、声を出します。明瞭な音でなく、あいまいになってもかまいません。
1.「オーウーアーエーイー」
2.「アーエーイーオーウー」
3.「おお おう おあ おえ おい」 (「お」は太く厚くするように)


MENU83

○例文トレーニング
1.「いかがですか。思ったよりも元気そうに見えますが…」
2.「おめでとうございます。本当によかったですね」
3.「これをお子さんにお渡しください」
4.「ご遠方より、ありがとうございました」
5.「このたびはご愁傷さまでございます」
6.「まことに残念なことでございます」


MENU84

○謝罪、心からの謝意を伝える声のトレーニング
1.「申し訳ございません」
2.「すみませんでした」
3.「失礼しました」
4.「大変失礼いたしました」
5.「心よりお詫びを申し上げます」


MENU85

○●口とあごのトレーニング
1.口を閉じたまま、下あごを左右に動かす
2.口を開いて下あごを左右に動かす
3.下あごを大きく下げて、もどす
4.下あごをすばやく下げて、もどす


MENU86

●鼻声を明瞭にするトレーニング
 次の音をはっきりと発音してみましょう。
1.「ガヤダガヤダ」
2.「ラレリロル」
3.「カケキコク」
4.「ガゲギゴグ」
5.「ダテヂドヅ」


MENU87

○電話応対のケースのトレーニング
1.「申し訳ございません。あいにく××は、ただ今他の電話に出ております。……」
2.「××はただ今席をはずしております」
3.「申し訳ございません。あいにく××は休ませていただいております」
4.「××はただ今、外出しております」
5.「私でよろしければ、代わりにご用件を承りますが」
6.「××は外出中で、夕方には戻るかと存じます。いかがいたしましょうか」


MENU88

○意欲をみせる声、リーダーシップをとる声のトレーニング
1.「お任せください」
2.「私が責任を持ちます」
3.「こちらをご覧ください」
4.「いかがでしょうか」
5.「これでお願いいたします」


MENU89

●体から声を出すトレーニング
1.「エンヤーコラ、ドッコイショ」
2.「ヤーレンソーラン」
3.「ハイナ、サア」
4.「ヨイトナーノヨイトサア」


MENU90

●しっかりした返事のトレーニング
小さな声から少しずつ大きな声にしていきます。
1.「ハイ ハイ ハイ ハイ ハイ」
2.「ハイ ハアイ ハアアイ」
3.「ハイ行くよ、ハイオーケー、ハイわかりました」


MENU91

●声を充分に生かすトレーニング
体を動かしながら、威勢よくリズミカルな声を思い切り前に出してください。
1.「ルルルル、ルールー、ルーー」
2.「メーン、ドォー、コテッ」
3.「ファイト、エイエイオー、ガンバッ」


MENU92

○例文トレーニング
1.「ぜひ、私にお任せください」
2.「最後まで、私が責任を持ちますので、ご安心ください」
3.「こちらをご覧ください。ご説明いたします」
4.「こちらが新商品です。いかがでしょうか」
5.「これでお願いいたします」
6.「こちらをお求めになってはいかがでしょうか」
7.「こちらが最新の製品です」
8.「お値段は少々高くなりますが、高品質です」
9.「申し訳ありません。明日でしたらご用意できますが、お待ちいただけますでしょうか」


MENU93

○依頼、お願いをする声のトレーニング
1.「これを、お願いします」
2.「どのようにいたしましょうか」
3.「よろしいでしょうか」
4.「ご一緒していただけませんか」
5.「その日はあいにく予定が入っております」


MENU94

○声の響きを確かめるトレーニング
1.「んアーんエーんイーんオーんウー」
2.「んガーんグーんギーんゴーんグー」
3.「ナーネーニーノーヌー」
4.「マーメーミーモームー」
5.「んーアーん、んーエーん、んーイーん、んーオーん、んーウーん」


MENU95

○電話応対のケース
1.「いえ、私のほうから改めてお電話させていただきます。」
2.「恐れ入りますが、ご伝言をお願いいたします。」
3.「××課長いらっしゃいますか。」
4.「戻りましたら折り返しお電話するように申しましょうか。」
5.「こちらからお電話差し上げましょうか。」
6.「お戻りになりましたら、お電話くださいますようお伝えください。」
7.「××社の××です。ではお願いいたします。」
8.「電話番号は×××です。よろしくお願いいたします。」


MENU96

○安心させる声、寛大に伝える声のトレーニング
1.「少々お待ちくださいませ」
2.「これからご案内いたします。どうぞこちらへ」
3.「申し訳ございません。すぐに戻ってまいります」
4.「ご安心ください」
5.「お気になさらないでください」


MENU97

○キンキンした声を落ち着いた声に
 電話で奥様方が話すようなキンキンする声は、聞く方も話す方も疲れやすいものです。
 これは、よそいきの声といわれるように、丁寧、上品なイメージなのですが、度を過ぎると不快です。
 一方、生声(のどで雑につくったような声)をストレートに使う人も、疲れやすいという印象を持たれることが多いようです。
 人に安心感を与えるには、おおらかな声がよいですね。体から大きく笑ってみて、気持ちを大きくもち、やや低くゆっくりめに出してみましょう。


MENU98

○声を若々しくひびかせるトレーニング
 多くの人が、声の響きというと、カン高くひびく頭声をイメージするでしょう。しかし、ひびくのは、頭だけではありません(頭のてっぺんから出るような声は、そう使うものではありません)。声は、顔面、のど、胸、背骨と、全身でひびいているのです。
 発声では、のどをしめつけがちなので、それをはずすため、顔面(口・鼻)や胸に感じるようにひびかせることを目的としてもかまいません。
 のどを開いて、声を出すと、声が自然に伸び、活き活きとして聞こえるようになります。
 さらに、体の深いところから、深い息で支えられた声なら、とてもよく相手に伝わるでしょう。


MENU99

○鼻のトレーニング
1.鼻穴を両方大きく広げる、ピクピクと動かす
2.鼻から息を後頭部のほうへ送るように吸う
3.くさいものを嗅いだときのように鼻を動かす


MENU100

○共鳴のトレーニング
1.「ナーナーナー」
2.「マーマーマー」
3.「ニンニンニン」
4.「ネイネイネイ」
5.「ラーラーラー」


MENU101

○例文トレーニング
1.「担当の者がまいりますので、少々お待ちくださいませ。」
2.「これからご案内いたします。どうぞこちらへ。」
3.「申し訳ございません。すぐ戻ってまいります。」
4.「大丈夫です。どうぞお気になさらないでください。」
5.「こちらの契約書に署名をお願いできますでしょうか。」
6.「この件に関して、このような案はいかがでしょうか。」
7.「では、今回は残念ですが、あきらめます。」
8.「では、そろそろ失礼いたします。」


MENU102

○小さな声で伝える、注意する、ガイダンスする声のトレーニング
1.「どうぞお召し上がりください」
2.「きっと気に入っていただけると思います」
3.「ちょっとお電話を拝借できますか」
4.「危ないので注意してください」
5.「どなたかご用のある方はいらっしゃいますか」


MENU103

●しっかり通る声にするトレーニング
1.「カケキクケコカコ」
2.「タテチツテトタト」
3.「ガゲギグゲゴガゴ」
4.「ダデヂヅド」


MENU104

●ことばをていねいに発するトレーニング
丁寧にしっかりと言ってみましょう。
1.「今日は、雨が降りそうです。」
2.「二階の会議室に集合ください。」
3.「お手元の企画書にそって、プレゼンテーションをいたします。」


MENU105

○例文トレーニング
1.「お客様がお見えになりました」
2.「恐れ入りますが、こちらでお掛けになってお待ちください」
3.「課長、お客様にその契約書をご覧いただきたいのですが」
4.「お忘れ物をなさいませんように」
5.「課長がおっしゃられたことをお伝えしておきます」
6.「急ぎの仕事のお話があるのですが・・・」
7.「失礼します」
8.「今少し、よろしいですか?」


MENU106

○てきぱきと、正確に伝える声のトレーニング
1.「どちらさまでしょうか」
2.「大変失礼いたしました」
3.「お待ちいただけますでしょうか」
4.「かしこまりました」
5.「お忙しいところ、ご丁寧に」


MENU107

○●舌根、舌背、舌先を連結するトレーニング
1.舌を口から勢いよく出す
2.舌の先を閉じた唇のうしろにあて、唇を押してふくらます
3.舌を口の右側左側に交互に大きく出す
4.口を大きく開き、舌先を上の歯の後ろのほうに、次に下の歯ぐきの後ろのほうに動かす
5.舌を歯と唇の間に入れて、上、下の歯の外側内側にそってまわす
6.ナ・ン・ダをいう
7.ガ・ヤ・ダをいう


MENU108

●巻き舌のトレーニング
1.「ルルルルル」
2.「レロレロ」
3.「ラルレロルレラロ」


MENU109

○ビジネス例文 シチュエーション別トレーニング
1.「××さん(先輩)、課長がお呼びになっています」
2.「明日(みょうにち)、(同僚が)課長にご報告すると申しておりました」
3.「課長の××にその旨申し伝えておきます」(得意先へ)
4.「××商事の××様より日程を変えていただきたいと連絡がありました」(上司へ)
5.「××課長、○○部長がいらっしゃいました」(上司へ)
6.「失礼ですが、電話番号をお教えいただけますでしょうか」
7.「恐れ入りますが、どちら様でいらっしゃいますか」
8.「恐れ入りますが、もう一度御社名をお願いいたします」


MENU110

○プロの人の声を聞こう(あなたのよいと思う声を持つ人の名前を[ ]に入れてみてください)
□俳優 [               ]
□歌手(オペラ、ジャズ、ゴスペル、ポピュラーなど) [              ]
□声優 [                ]
□アナウンサー [               ]
□タレント、お笑い芸人 [               ]
□ナレーター、DJ [              ]


MENU111

○いろいろな声を聞こう(いろんな声についてあなたが感じたことを書いてください)
□外国人の声 [               ]
□世代の違う人の声 [              ]
□異性の声 [                ] 


MENU112

○独特の(くせのある)声を聞こう(独特のくせのある声を聞いて感じたことを書いてください)
□物売りの声 [               ]
□感情をあらわにしている人の声 [               ]


MENU113

○声について、自分の抱いているイメージを書き出してみましょう。
1.最も声のよいと思う人 [               ]
2.声が悪いと思う人 [              ]
3.声が変わっていると思う人(どのように) [               ] 


MENU114

○いろいろな声を出してみるメニュー(1)

次の例は、私の集めた声のイメージです。自分の声や他の人の声を、このなかで位置づけてみましょう。
これらの声の種類の中から、自分の声に当てはまると思うものを選んで、番号にマルをつけてみましょう。
次に、あなたが気になる他の人の声をチェックしてみましょう。 

1高い声 2低い声  3明るい声 4暗い声  5太い声 6細い声  7軽い声 8重い声  9柔らかい声 10硬い声 11やさしい声 12きつい声  13ひびく声  14こもった声  15上品な声  16下品な声  17ていねいな声  18荒っぽい声  19澄んだ声  20くすんだ声


MENU115

○いろいろな声を出してみるメニュー(2)

21ダミ声  22深い声  23浅い声  24濁りのない声  25濁った声  26頭のてっぺんから出る声  27地の底から出る声  28柔らかい声  29キンキン声  30カン高い声  31ど太い声  32ドスの利いた声  33のどのあがった声  34さわやかな声  35不快な声  36効率のよい声  37息もれする声  38芯の通った声  39芯のない声  40生き生きとした声


MENU116

○いろいろな声を出してみるメニュー(3)

41死んだ声  42鋭い声  43鈍い声  44のびのある声  45のびのない声  46飛翔するような声  47押しつぶした声  48すがすがしい声  49まろやかな声  50張りのある声  51かすれる声  52なめらかな声  53割れた声  54ねばっこい声  55鼻につまった声  56鼻にかかった声  57鼻に抜けた声  58はつらつとした声  59震える声  60しゃがれ声


MENU117

○いろいろな声を出してみるメニュー(4)

61甘えた声  62あたたかみのある声  63どっしりとした声  64朗々とした声  65ボソボソした声  66重厚な声  67キャピキャピした声 68老けた声  69若い声  70円熟した声  71ゆったりした声  72ヒステリックな声  73よく響く声  74おだやかな声  75つやのある声  76セクシーな声  77ハスキーな声 78蚊のなくような声 79えいえい声 80おろおろ声 81金切り声 82きいきい声 83とがった声 84甲声 85玉の声 86甘い声 87かわいい声 88パワフルな声 89迫力のある声 90元気な声


MENU118

○いろいろな声を出してみるメニュー(5)

91含み声 92美しい声 93きれいな声 94われ声 95ガラガラ声 96くぐもり声 97塩辛声 98湿り声 99洒落(しゃれ)声 100なまめいた声 101うわずった声 102沈んだ声 103忍び声 104なまり声 105いきみ声 106だみ声 107ねぶり声 108つまった声 109胴間(張)声 110どら声 111透明感のある声 112ウィスパーヴォイス 113ミックスヴォイス 114裏声 115頭声

※声の解説

79.えいえい声・・・力を入れるときの「えいえい」という掛け声。えいごえ。
80.おろおろ声・・・取り乱して出す泣きそうな声。
82.きいきい声・・・女性や子どもの鋭く甲高い声。黄色い声。
85.玉の声・・・玉のようにきれいな声。美しい色つやのよい声。
91.含み声・・・口の中でこもっているように聞こえる声。
96.くぐもり声・・・口の中にこもってはっきりしない声。
98.湿り声・・・泣いたり悲しんだりしているときの沈んだ声。
99.洒落(しゃれ)声・・・洗練され、粋な声。
109.胴間(どうま)(張)声・・・調子はずれの太く濁った下品な声。胴張り声。
(『スーパー大辞林』(三省堂)より)


MENU119

○声がしっかりと出ているかをチェックする
あなたの発声のチェックをしてみましょう。
□全身、とくにお腹から声が出ている(イメージ)
□声の太さがキープできる、細くならない(個人差はあります)
□いろいろいな声や息のノイズが混ざっていない(かすれない)
□一つの線上に声が伸びており、扱いやすい(イメージ)


MENU120

○発声トレーニングのチェックリスト
体を曲げて(前屈して)やってみましょう。次にまっすぐ立ってやります。
□「ハイ」と鋭く、短く言い切れる(音が伸ばさない、のどにかけない)
□頭の方だけで響いていない(響かせない、抜かない)
□なるべくドスの効いた声をめざす(太く強く大きく)
□胸部にしっかりと共鳴している(胸のまん中を手でさわってチェック)
□のど、首、あごに力が入っていない(あごが前に出ていない)
□声がのどに直接あたっている感じがない(のどにビリビリと響いていない)
□のどが開いている、のど仏のところ(咽喉P 参照)が下がっている
□あごの下のやわらかい部分が硬くなっていない
□舌が平らになって、舌の後ろの方の舌根があがっていない


MENU121

●二重母音のトレーニング
二重母音とは、二つの母音がつづくものです。これを一音に聞こえるように発してみてください。
1.アエ アイ アオ アウ
2.エア エイ エオ エウ
3.イア イエ イオ イウ
4.オア オエ オイ オウ
5.ウア ウエ ウイ ウオ


MENU122

●気持ちを声に出すトレーニング
次のことばでやってみましょう。「どうか、よろしくお願いします」
言うときに、気持ちをしっかりと入れてみてください。
何度かくり返して、心を表現できたと思ったら、録音して聞いてみましょう。

ことばで「どうか」「よろしく」「お願いします」を、それぞれ読んでみましょう。
次に、それを少しずつ大きくしていきます。大きな声でしっかりと言いましょう。そのうちに、ことばの流れに声の線が出てきます。それをつなげて、一つのフレーズにのせていきます。


MENU123

●感嘆詞を使って声を伸ばすトレーニング
「あぁ!」「おぅ!」と、大きな声で言ってみてください。そこに感情が現れるようにです。
あなたはどのように感じましたか。次のような気持ちを入れて、いろいろと変えてやってみましょう。
1.退屈なように
2.投げやりに
3.驚いたように
4.感動したように
5.怒りを含んで
6.非難するように
7.あきれかえったように


MENU124

●胸にひびかせるトレーニング
1.「ハイ」「ガイ」「ライ」
2.「おはよう」「こんにちは」
3.「さようなら」「ありがとう」
4.「ファイトー」「エイエイオー」
5.「ヤッホー」「オッケイ」


MENU125

 母音の五音をはっきりと、すべて同じ響きで出せるところにもっていきます。発声は作っていくものでなく、体が変わっていく結果、自然とできていくことと考えてください。

●共鳴ポイントのトレーニング
1.「ナァ」  2.「マァ」  3.「ンナ」  4.「ンマ」


MENU126

○母音の響きを統一するトレーニング
 声がしっかりと聞こえてくるようにしましょう。響きが統一できていなければ、なめらかな言葉のフレージングが出てきません。ブツ切れになっては、心地良くは聞こえません。

●母音の響きの統一トレーニング
1.ンアエイオウ  2.ンアーエーイーオーウー


MENU127

●ハミングのトレーニング
1.ンーンーンーンー  2.ムームームームー


MENU128

●ハミングから共鳴のトレーニング
1.ンーア  2.ンーエ  3.ンーイ  4.ンーオ  5.ンーウ


MENU129

○鼻濁音を使う
体の響きを集め切れないと口先の声になります。すると、うまくことばに踏み込めないものです。
鼻声の方が、日本人には、やりやすいので、アナウンスやナレーションなどでは、鼻濁音を中心に、マスターしていきます。鼻濁音とは、「おんがく」といったときに、「が」が、「がっこう」の「が」と異なり、鼻にかかる音になることです。

●鼻濁音のトレーニング
1.ガンガ(カ )  2.ゲンゲ  3.ギンギ  4.ゴンゴ  5.グング


MENU130

●声の響きをよくするトレーニング
1.んアーんエーんイーんオーんウー
2.んガーんグーんギーんゴーんグー
3.ナーネーニーノーヌー
4.マーメーミーモームー
5.んーアーん、んーエーん、んーイーん、んーオーん、んーウーん 


MENU131

○硬い声になっていないかのチェック
□響かないまま、息の勢いで力任せに出てくるようにしない
□部分的に力が入らない(舌根、あご、肩、胸)
□息が充分に声にミックスされている
□声帯をならしすぎていない


MENU132

●いろいろな音で共鳴を感じるトレーニング
1.ムームームー
2.フムーフムーフムー
3.ヰ・ヰ・ヰ(「ウ」の口の形で「イ」を発音する)
4.ヌーヌーヌー


MENU133

○共鳴を感じてみるトレーニング
 次の箇所に手をあてて、どのくらい声が響いているか確かめてみましょう。どれも響かなくてはいけないのではありません。個人差もあるので、一つの目安にして捉えてください。
□1.胸の上部
□2.胸の中部
□3.ろっ骨の下の方(助骨)
□4.肩(けんこうこつ)
□5.首のうしろ
□6.ろっ骨の横のあたり
□7.尾てい骨の上の方
□8.額
□9.鼻のつけ根(みけん)/ほお骨
□10.後頭部


MENU134

●響きをよくするトレーニング
 体の筋肉が硬直していては、声はうまく響きません。顔も同じです。日頃から大きく表情を動かすトレーニングをしておくとよいです。表情の豊かなことが、声の響きや声質をよくして表現力を高めます。


MENU135

○あごのトレーニング
1.口を閉じたまま、下あごを左右に動かす
2.口を開いて下あごを左右に動かす
3.あごを下げて、もどす
4.あごをすばやく下げて、もどす (※あごに問題(顎関節症の人など)のある人は、やらないでください。)


MENU136

○舌のトレーニング
1.舌を口から勢いよく出す
2.舌の先を閉じた唇のうしろにあて、唇を押してふくらます
3.舌を口の右側左側に交互に大きく出す
4.口を大きく開き、舌先を上の歯の後ろのほうに、次に下の歯茎の後ろのほうに動かす
5.舌を歯と唇の間に入れて、上、下の歯の外側内側にそってまわす
6.ナ・ン・ダを大きな声でいう
7.ガ・ヤ・ダを大きな声でいう
(声を出せないときは、舌の運動のみでよいでしょう。ガ・ヤ・ダは、舌根、舌背、舌先の連結運動になります。)


MENU137

○口のトレーニング
1.口を大きく開ける 2.あくびをする 3.軟口蓋を高くする


MENU138

○唇のトレーニング
1.唇を閉じて、パ・バ・マを発音する。パピプペポ・バビブベボ・マミムメモを繰り返す(これは、呼気圧の高い順です)
2.唇を閉じて、上唇と下唇を交互に前に突き出す
3.歯を合わせたまま、歯並びがすべて見えるように開き、閉じる


MENU139

○頬のトレーニング
1.両頬に呼気を送り、ふくらませ、その後、両頬を吸い込む
2.頬の左右、上歯茎の上方、下歯茎の下方と4方向を部分的にふくらませる


MENU140

○鼻のトレーニング
1.鼻穴を両方大きく広げる
2.鼻から息を後頭部のほうへ送るように吸う
3.くさい匂いを嗅いだときのように鼻を動かす


MENU141

○眼のトレーニング
1.力強く眼を閉じ、開く
2.眼の多摩を左右、上下、左回り、右回りと動かす


MENU142

○眉毛のトレーニング
1.思いっきり眉毛をつりあげる
2.しかめっつらをして、眉毛を下げる 


MENU143

○ミラートレーニング
 顔をくしゃくしゃにして、自由に動くようにしましょう。 視線はまん中にします。上目、下目、横目づかいは直しましょう。顔の表情が声の感じをつくります。聞きやすい声は、伝えようとする表情から生まれます。 あなたも自分で組み合わせて、オリジナルメニューをつくってみてください。


MENU144

○共鳴のチェックリスト
□響きをまとめる気持ちで出す
□鼻声にならない(なってもよいが、ならなくもできるように)
□息がもれない、かすれない
□のどをビリビリとならさない
□力を入れない・力で押さない
□響きを体から離すようにイメージしてみる


MENU145

○声量を意識するトレーニング
1.自分の声がどこまで届いているかを意識しましょう。
2.他人の声がどのくらい聞こえているかをチェックしましょう。
3.TVやAVで自分の一番聞きやすいヴォリュームにします。自分の声の大きさを1〜5段階に変えて、録音して、どれが一番近いのかを知りましょう。


MENU146

○声の焦点を絞るトレーニング
1.自分の声を相手に向けて出してみます。
2.相手を1人、2人、3人、5人、6人、8人と、増やしていきましょう。
3.相手の並び方をいろいろと変え、方向も変えてみましょう。


MENU147

○深い息から、深い声へのトレーニング
 声帯自体はとても繊細なものです。打楽器のように扱ってはよくありません。声帯が出す音の強さには限界があります。
声量とは、声帯で発する音量を大きくするのではなく、その原音を共鳴するところに呼気を使って最大に動かしてみせていくと考えてみてください。それにはしっかりとした共鳴のできる声とフォームを地道につくり上げていくことです。


MENU148

○声の出る体のイメージをもつトレーニング
 意識は頭や口先でなく、お腹、へそ下5センチメートルくらいのところにおきましょう。声を自分の体と一体化させて、その根っ子のところから大きくイメージしましょう。


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○叫ぶ声のイメージにするトレーニング
 重いものを持ち上げるときのように下腹の力で、体もやや下に落とすようなところで声を発してみます。無理にかすれさせたり、しわがれた声にしないでください。
 声の浅い人は、横に浅く声が広がっているので、シャウトするとのどを痛めやすいです。まだ、やらない方が安全かもしれません。
体とつながっていない声は、声としての発展性がありません。確実に調整でき、しかも自由にメリハリのつけられる声をベースにするのです。


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○縦の線上に共鳴を統一させる(イメージ)トレーニング
 体からの呼気の流れにのって、縦のイメージ(頭部−胸部)で1本の線上にとれている場合は、お腹から深い声になっています。体で支えられているため、のどの負担を最小限に抑えられます。響きも縦の線上に考えます。
 あなたの体で、次の2点を意識することです。
 1点は胸のまん中。もう1点は軟口蓋の上から眉間にかけての線上の1点です。
 胸にしっかり響くと、その響きは頭の方へも自然と共鳴してきます。頭部の共鳴しているときは必ず胸部にもその根っ子となる響きの感覚があるわけです。
 大半の響きは浅く、八方へ広がって薄っぺらになります。そこでのどがあがり、のどに負担がきます。しかし、縦の線上に2点をとると1本の線になります。一直線に響きはまとまっていくのです。よい声は指向性のあるものとして、めざしてください。


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○声に対するフィット感と集中力をつけるトレーニング
 ここで、めざす声はリラックスしていて、柔らかく出していても、鋭く、ボリュームののった緊張感があり、かつ、しなやかな声です。一分のすきもないほど、一瞬の息もれもないくらいに体にフィットしたものです。

 自分がどのような声を出しているのか、それが果たしてよい方向に表現を伝えられる声であるのかをしっかりと判断しましょう。
 そのためには、ひと声出すごとに、その声に耳を立て、体で感じている反応をもあわせてみます。そして、毎日、それを判断していくのです。何よりもプロの一声を何度も聞き込み、体にしみこませることです。そこには並々でない持続的な集中力が要求されます。ヴォイストレーニングも、集中力で身につけていくのです。


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○大きな声のチェック
□そのあと、のどがヒリヒリしない
□のどが重苦しくなったり、熱くなったりしない
□話す声がかすれない
□弱い声が出にくくならない
□すぐにのどがかわかない
□声帯に息をぶつけるようにしない
□いきなり必要以上の大きな声にしない
□体の支えが保てず、胸の上の方だけの支えにならない
□声が広く浅く散っている感じにならない
□意味なく頭や手足が動いてはいない


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○理想的な声のイメージをもつトレーニング
□まっすぐ前へ伸びている感じで出す
□声を大きくも小さくもでき、強弱も自由につけられる
□ことばのフレーズをしっかりとつかまえている
□頭部にも胸部にも、充分に響いており、自由にそのバランスを変えられる


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○声質を決めるトレーニング
 声のなかでも声質は、とても大切です。話の動きの部分、リズム、メリハリ、ノリのまえに、まずこの声質によって、私たちは相手の話を受け入れる感情になるかどうかが決まるからです。たとえば、怒ったりヒステリックになったときの声質では、誰もその人と関わりたくないと思うでしょう。同じ人でも、その声質を変えただけで、受け入れられなくなるのです。
 話のなかで、最後までずっと声での伝達のベースを支配するのは、この声質です。途中でかすれたり、上ずったりしては、続けて心地よく聞くことができないからです。声質は、話を聞きやすくするばかりか、聞き終えた後の印象まで左右します。そのため、声質を保つヴォイスコントロールが必要です。 


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○いろんな音色をイメージする
次の楽器の音色を思い浮かべてみましょう。
1.バイオリン  2.ピアノ  3.チェロ  4.シンバル
ついでに、いろんな人の声質を再び、イメージしてみましょう。


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○声質を変化させる
高低、緩急、強弱、音質、音量の変化を自分でコントロールしてみましょう。
1.ものまね、模写、口まねをしてみましょう。
2.擬声態語で誇張して感じを出します。
ただし、つくり声、甘えた鼻声は、品が悪いのでやめましょう。
「グーッとよった」「パクパク食べる」「オロオロする」「ドタバタ走る」「スッキリした」


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○声質のチェック
「キッパリ」「スッキリ」と、大きな声でいってみて、チェックしてください。
□きちんと声の質を保って言い切れている
□言いきるまで、お腹の力で支えている
□そのままお腹で大きく表現できる
□頭部に適切にひびいている
□息の支えも保たれ、息が流れている(かすれていない)
□口先だけの声になっていない
□のどや口でくせをつけていない


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○早口ことば(滑舌=アーティキュレーション)のトレーニング(1)
発音をはっきりとさせましょう。

<ア>あら、また、あかいはたがあがった、かった、かった、あかがかった。
<イ>いちり、にり、しちり、いちにちに、ぎりぎり、しちり、いった。
<ウ>歌うたいが歌うたいに来て歌うたえというが、歌うたいが歌うたうだけうたえ切れば、歌うたうけれども、歌うたいだけうたい切れないから歌うたわぬ。
<エ>蝦夷(えぞ)で暮すも一生、江戸で暮すも一生。
<オ>老いては負(お)うた子に教(おしえ)られ。

<カ>神田鍛冶町の角の乾物屋の勝栗(かちぐり)買ったが、固くて噛めない、返しに行ったら、勘兵衛のかみさんが帰ってきて、かんしゃく起して、かりかりかんだら、かりかり噛めた。
<キ>菊桐菊桐三菊桐(みきくきり)、合わせて菊桐六菊桐(むきくきり)
<ク>くりくり坊主が栗食って、くりくり舞をくりかえし、くるりと庫裡(くり)へくり込んだ。
<ケ>怪我負け、怪我勝ち、大怪我、小怪我。
<コ>小卵大卵(こたまごおおたまご)、大卵小卵。

<サ>笹原さん、佐々木さん、佐々三郎さん、三人早速あさって誘ってさしあげましょう。
<シ>信州信濃渋井村、新家(しんけ)の重(しげ)さんの尻にしらみが四匹(しひき)しがみついて死んだ。
<ス>住吉(すみよし)のすみにすずめが巣をくって、巣早すずめの巣立ちするらん。
<セ>浅草寺(せんそうじ)の千手観音(せんじゅかんのん)、専念千日千遍(せんじつせんぺん)拝んで、千束町(せんぞくちょう)で煎餅(せんべい)買って千食べた。
<ソ>そんじょそこらのそばかす小僧が、そちをそしって逃げたとしても、そちはそれほど、そっとこらえてそしらぬ顔とは感心だ。


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○早口ことば(滑舌=アーティキュレーション)のトレーニング(2)

<タ>この竹垣に竹立てかけたのは、竹たてかけたかったから、竹立てかけたのです。
<チ>茶たばこのんでたばこ茶のむ、茶たばこたばこ茶々たばこ、のむ。
<ツ>つるてんつるてんはぎわらてん、破れた前だれあててんてん、夏は寒天心太(ところてん)、島島弁天(とうとうべんてん)手をうちゃ合点、一天合中六天(いってんがっちゅうろくてん)、それで私のもとでこてん。
<テ>テレピン油(ゆ)を掌(てのひら)にたらして手と手でもんでおてんてんへつけて見ろ。
<ト>とてちてた、とてちて、とてちて、とてちてた、おっと踊った。とんつつ、とんつつ、ととんつつ、どんたく踊りをおどろうぞ。

<ナ>長持(ながもち)の上に、生米、生麦、生卵。なた豆七つぶ生米七つぶ、七つぶなた豆。七つぶ生米。
<ニ>二条の西の洞院(とういん)、西入人形屋(にしいるにんぎょうや)の二階で、鶏が二羽、西向いて逃げた。
<ヌ>盗人と濡衣担(ぬれぎぬにな)い、悩みぬぐえず、七日七晩(なぬかななばん)泣きぬれる。
<ネ>年々ふえる年祖捻出(ねんそねんしゅつ)、なんとかならぬか泣言(なきごと)ならべた。
<ノ>農商務(のうしょうむ)省特許局日本銀行国庫局。

<ハ>パイプの火の不始末から火花ふいて、本家分家を灰にした。
<ヒ>かえるひょこひょこ三(み)ひょこひょこ、四(よ)ひょこひょこ、五(ご)ひょこひょこ、六(む)ひょこひょこ、七ひょこひょこ、八ひょこひょこ、九ひょこひょこ、十ひょこひょこ。
<フ>武具馬具(ぶぐばぐ)、武具馬具、三武具馬具、合わせて武具馬具六武具馬具。
<ヘ>家(うち)の牛(べ)こはよい牛こ、隣の牛こもよい牛こ、向こうの牛こもよい牛こ、三つ合わせて三よい三牛こ。
<ホ>坊主の貧乏、非常にふびんと坊主と坊主の父母が、奉仕と募金。


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○早口ことば(滑舌=アーティキュレーション)のトレーニング(3)

<マ>青巻紙赤巻紙黄巻紙(あおまきがみあかまきがみきまきがみ)、黄巻紙赤巻紙青巻紙、長巻紙に赤巻紙。
<ミ>猫が拝(おが)みゃがる、犬が拝みゃがる、馬が拝みゃがる。
<ム>麦ごみ麦ごみ三麦ごみ、合わせて麦ごみ六麦ごみ。
<メ>ちょっと流し目したら、目くじら立てて怒られて、ひどい目に会った。
<モ>すももも桃ももう熟れたから、もう売れよう。

<ヤ>おやおや、八百屋さん、お綾(あや)は親とお湯屋(ゆや)よ。
<ユ>湯河原に遊びに行って夕月を眺めたら、愉快になった。
<ヨ>居合(いあい)の用意はよいな。用意はいいよ。よいよい。やあやあ、いよいよ居合をやるぞ。

<ラ>雷鳥は寒かろラリルレロ。
<リ>瓜(うり)売りが瓜売りに出て瓜売れず売り売り帰る瓜売りの声。
<ル>虎をとるなら、虎をとるより鳥をとり、鳥をおとりに虎をとれ。
<レ>冷蔵庫から、冷凍料理を出してこいと言ったら、冷蔵庫から冷凍料理を出さないで、冷蔵庫からビール出してラッパのみした。
<ロ>とろろ芋をとる苦労より、とろろ芋からとろっとするとろろ汁をとる苦労。

<ワ>わらわば笑え、わらわは、笑われるいわれはないわえ。


MENU161

○滑舌のチェック
最初から急いでやらなくてかまいません。少しずつ、スピードをあげていきましょう。スピードよりも、伝えることを忘れないように。
□のどが疲れない
□お腹からしっかりとことばをとらえている
□口先をあまり動かさなくても、相手がはっきりと聞き取れるくらいに言い切れている
□ひとつひとつのことばがしっかりと言えている
□そのうえで流れに、流暢にことばがのっている


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○声の高さ別のチェック
□かすれずにしっかりした声で全ての音を出せる
□低い声も、のどでなく体の支えで声が出ている
□低い声を強くできる
□高い声をやわらかくできる
□高い声でキンキンなったり、カン高く聞こえない
□音の高さによって感情的に聞こえない、感情がないようにも聞こえない
□口や舌、あご、のどに力が入っていない
□高い声で裏返らない


MENU163

○高い声の出にくいときのチェック (カラオケの歌う声などでも、このチェックは使えます)
□のどや首に力が入っている
□下あごに力が入っている(あごが前にでている)
□胸部でしっかりと声になるところをつかんでいない
□充分な息を流していない
□体や息の支えが充分でない
□響きをまとめていない
□舌に力が入っている
□口をあけすぎている
□息が効率的に声になっていない
□もって生まれた声には高すぎる


MENU164

●間をとるトレーニング(1)
間で、 //(少し長い間) /(少し短い間) をとってください。
1.「今回は//雨で//キャンセルです。」
2.「今回は//雨で/キャンセルです。」
3.「今回は/雨で//キャンセルです。」
強調のための間は、ブレスをしないことも多く、間をおくことで、次にくることばを際立たせます。つまり、口をとめることによって、次にその口から出てくることばを目立たせるわけです。


MENU165

●間をとるトレーニング(2)
1.「私は//この仕事が//好きです。」
2.「私は/この仕事が//好きです。」
3.「私は//この仕事が/好きです。」
 これを、「この仕事が」にプロミネンスをおいて、大きな声で強調してみると、何か事件があったあと、皆のまえで主張するようになってしまいます。親しい人に「この仕事が」と伝えるのなら「私は」のあとに、きっと間を入れることでしょう。「この仕事が」を小さく、ゆっくりと言うことによって強調することもできます。意味を正しく伝えることだけではなく、ことばに意味をしっかりと含め、言いたいことを際立たせるために、間も使われるのです。


MENU166

●間をあけて読むトレーニング
 間をあけることで、ことばの意味を強調することができます。いろいろなところで間のあけ方を試してみましょう。
ここでは、読点(テン)のところで間をあけてみます。その変化による意味の伝わり方の違いを感じましょう。
1.私は、この案件に、賛成、しかね、ます。
 (「賛成しかね」の前と後で、間をあけて「賛成、しかね」と速く言う。)
2.私は、この案件に、賛、成、し、か、ね、ます。
 (「賛成しかね」の一つひとつの音をゆっくりと間をあけて言う。)
3.私は、この、案件に、賛成しかね、ます。
 (「この案件に」の前と後で、中間で間をあけて言う。)
4.私は、このっ、案件にっ、賛成しかねます。
 (「この案件に」の前と後で、中間で間をあけ、速く言う。) 


MENU167

○スムーズに読むトレーニング
アナウンサーと同じスピードで読んでみましょう(そのあとをつけてみましょう)。
その文章をメモして読んでみましょう。時間をはかります。
1.ゆっくりと正しく読む    分
2.普通に読む    分
3.もっとも早く読む    分
4.感情表現を込めて読む    分
5.十日トレーニングしてから自然に読む    分
 五分くらい話すと、およそ原稿用紙で6枚くらいになります。それだけの原稿の内容を用意するか、他人の話を使ってもよいでしょう。次に、何も見ずに、それを短くして話してみましょう。


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○話し方の総合トレーニング
 最後に、次の課題を吹き込み、再生してみてください。
1.ラジオ番組に相談をもちかけてみる(1分間)
2.駅から自宅への道順を説明する(1分間)


MENU169

●クッションとして使えることばのトレーニング
 頭につけて、やわらげるために挿入することばを、クッションことばといいます。
・「恐れいりますが……」
・「申し訳ございませんが……」
・「失礼ですが……」
・「あいにくですが……」
・「すみませんが……」
・「お手数をおかけいたしますが……」
・「面倒をおかけいたしますが……」
・「お世話になりますが……」
・「よろしければ……」
・「大変ありがたいのですが……」
・「お役に立てませんが……」
・「ご迷惑おかけしますが……」
・「お許しをいただきたいのですが……」
・「恐縮ですが……」
・「ご足労をおかけしますが……」


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○毎日、声のトレーニングで意識するとよいことは
 自分の一番よい声をなるべく朝から使うようにしましょう。すると、声も疲れませんし、よい声を出していると自分も元気になれるからです。それには、体と心を起こすことです。具体的には、朝、起きたら深呼吸をして柔軟体操をします。体を動かしながら、息をゆっくりと大きめに長く吐きましょう。深呼吸です。
 次に、自分の好きな詩でも歌でもよいから、声を出して、のどや口のなかも起こします。何かを読むのもよいでしょう(読経、朗読など)。是非、毎日、この本の例文や付属のCDを使ってみてください。これで普段なら午後や夕方から、ようやく油がのってくる声が、朝から出せるようになるのです。声の調子を少しでも早くよくすると、それだけよい一日が長く過ごせる、つまり人生も豊かになるということです。声を出すことは健康にも大いにプラスになります。空気をからだいっぱい取り入れて、吐き出し、また吸うという呼吸作用を伴うからです。
 よい声を出すことが健康につながるということは、健康状態がすぐに声に出ることからもわかります。からだが弱くなると、息がしっかりと吐けなくなります。当然、こういう声はよく思われません。ヴォイストレーニングは健康づくりそのものなのです。


MENU171

□ウォーミングアップ
(自分のエネルギーと呼吸、声を結びつける)
1.思いっきり全力疾走する
2.反復横とび (10回)
3.両ももを片方ずつ交互に胸まで引き上げる
4.一度かがんでからジャンプ(10回)


MENU172

●首と肩のストレッチ体操
1.首から肩にかけて、軽くもみほぐしていきます。
2.肩の上げ下げを、10回繰り返します。
3.首を左右、横に5回、前後に5回曲げ、最後にゆっくり回します。
4.両腕を左右それぞれに、逆方向にゆっくり回します。


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□フェイストレーニング
 フェイストレーニングで表情を豊かにし、声も出してみましょう。
1.眉・・・ 上下にアップダウンさせて動かす
2.目・・・ 目をぱちぱちさせてみる 閉じてカッとひらく
3.口・・・ 大きく開けて→閉じる つぼめて前に出す
4.舌・・・ 口内にあて、動かす
5.あご・・・ あごの力を抜き、ほぐす


MENU174

○リラックスと呼吸について(体調管理・気分転換)
 体調が悪いとき、疲れがたまっているとき、総じて呼吸が弱く浅くなってはいないでしょうか。イライラしているときは、呼吸が短く、怖がっていると吸う息が強くなっているといわれます。また、緊張しているときは、胸で息が止まってしまうようです。
 一番効果的なのは、深呼吸で呼吸を整え、自分のもつエネルギーを静かに感じることです。また、ヨガや瞑想によって、よいイメージをもつことで、体内に溜まった老廃物を排除し、マイナス面をプラスに変えていくことができるでしょう。
 毎日、リラックスする時間を設け、ゆったりとした呼吸を続けていくことで、身体も改善していけるといわれます。ぜひ試してみてください。スポーツ心理学の研究からも、からだをゆるめたり、心身をリラックスさせることの重要性が問われています。


MENU175

○からだをゆらすトレーニング (参考:龍村ヨガ研究所)
 ゆったりとした服装で、リラックスできる姿勢で行なってみてください。

1.左右にゆらしてみる・・・目を閉じて、尾てい骨から頭にあえて波が伝わっていくようにユラユラする
2.前後にゆらしてみる・・・頭を垂れ、一度前にのめってから、腰を後ろに引く 前後に波打つようにユラユラする
3.回転してみる・・・尾てい骨を中心にゆっくりと右(左)へユラユラさせながら回転する
4.自由にゆらしてみる・・・前後プラス左右の動きに、回転も加え、自由にユラユラする


MENU176

○息の強弱から音の高低へつなげる (母音、ヴォーカリーズ)
 音の高低を、音程でとるのではなく、息の強弱で捉えるようにしていきましょう。(例としては、ヨーデルなど)
1オクターブをなめらかに上下させます。

1. イー (出だし ド) →(息をしだいに強めて音を上げていく)  アー (トップ音 ド) → (下降) イー (ド)
2. ウー (出だし ラ) →(息をしだいに強めて音を上げていく)  ウー (トップ音 ラ) → (下降) ウー (ラ)
3. アー (出だし ソ) →(息をしだいに強めて音を上げていく)  エー (トップ音 ソ) → (下降) アー (ソ)


MENU177

□声のパワーとヴォリューム
 ことばに勢いをつけ、そのまま声を伸ばし、強めて(<<)言い切ります。

1.ワッハッハーアーアーーエーー<<<アー
2.ウッフッフーウーグーーギーー<<<グー
3.エッヘッヘーエーオーーエーー<<<オー


MENU178

□声をやわらかくするトレーニング
 声が固い人、かすれたり、声が出にくいときの調整トレーニングです。
ハミングをしてから、口を少しあけて、アまたはオに移していきます。
1. ン(n)・・・・・ンアアア
2. ン(n)・・・・・ンオオオ
3. ン(m)・・・・・ンーアアアー
4. ン(m)・・・・・ンーオオオー
5. ンア(na)・・・・・ンアンアンナー
6. ンア(ma)・・・・・ンアンアンマー
7. ンンンンン・・・・(ドドドドド、レレレレレ、・・・一音ずつあげていきます)
8. ンンンンン・・・・(ドレドレドの音階で)
9. ナンムンナンムンナン
10. ナナナナナー・マママママー


MENU179

●息のコントロール力をつけるトレーニング

1.長く(深い息を出していきましょう。息は止めずに吐き切ってください。)
 「H(ハア)――――― ・・・」
2.太く(安定した地声のところでやってください。のどを開いて行ないます。)
 「アーアーアー」「アーエーイー」「アーオーウー」
3.小さく(できるだけのどの力を抜いて、裏声でやってみましょう。)
 「イーイーイーイーイー」「リーリーリーリーリー」「ヒーヒーヒーヒー」
4.短く → 伸ばす (短く息をお腹で切って、そのあと吐き出します。)
 「ハッ、ハーーー」 「ハッ、ハーーー」


MENU180

□よい声のイメージをもつこと
 まず出だしの一声を、ていねいに出すように心がけてください。声を出すときのクセをとり、スムーズな声のコントロールを目指しましょう。声の出す方向を、放物線を描くようなイメージで出してみてください。のどではなく、常にお腹でコントロールするようにしましょう。

1.「ハイ」 「ハー」 「ハアーアーアーアー」 「ハー」 「ハイ」
2.「アーーウーーエーーアーーアーー」 
3.「ナアナエ ナアナエ アエナア アエナア」


MENU181

□息を吐くトレーニング
 深い息の感覚をつかむために、半音ずつ下がっていきます。ピアノに合わせながらやってみましょう。

1.「ド」  ドシラソ ドシラソ ドシラソ ドシラソ  ↓
2.「ラ」  ラーソーファーミー ↓
3.「ソ」  ソソソソ ソソソソ  ↓
4.「ミ」  ミミミー  ミミミー  ↓
5.「レ」  レッ レッ レッ  ↓


MENU182

□スケール練習
なめらかな声のコントロールを体得しましょう。

1.「ドーファーミーソー」
2.「ラーレーソーシー」
3.「ソーミードーレー」


MENU183

○息のコントロール
 声を出すときの体の中心(支えになっているところ)を動かさないようにし、息のコントロールで音量を調整できるようにしてください。のどにぶつかっていると感じるときは止めて、息だけにしてください。

1.「ハッ」・(止めて) 「ハー」(小さく) <<< 「ハー」(大きく) 吐き切る(のどで止めないように)
2.「ウッ」・(止めて) 「ウー」(小さく) <<< 「ウー」(大きく) 吐き切る
3.「ヒッ」・(止めて) 「ヒー」(大きく) >>> 「ヒー」(小さく) 吐き切る
4.「フッ」・(止めて) 「フー」(大きく) >>> 「フー」(小さく) 吐き切る


MENU184

○息を声にしていくトレーニング
できるだけ声を出すときに、息を吐き切るように出してみましょう。

1.「ハッ、ハッ(息)・ハアーアーアー(声) << (大きくする)」上下降(最も出しやすい音域で)
2.「イッ、イッ(息)・ヒイーイーイー(声) >> (小さくする)」上下降
3.ハミングから声へ 「m・m・m・ムー・ムー・ムー」
4.「ハー(息)アー(声) ヒー(息)イー(声) フー(息)ウー(声) へー(息)エー(声)」上下降


MENU185

○リズム感をつけるトレーニング
リズムトレーニングは体を動かしながらやるととても効果的でしょう。

1.1(いち) 2(にい) 3(さん) 4(しい) ― 2(にい) 2(にい) 3(さん) 4(しい)
2.1とお  2とお  3とお  4とお
3.1とお2とお(休 1  2  3  4 ) - 3とお4とお(休 1  2  3  4 )
4.1とお2とお3とお4とお(休 1  2  3  4 )


MENU186

□英語の子音トレーニング
お腹の底から息を吐き出し、徐々に勢いをつけて、そのまま止めずに吐き切ってください。

1.「Sui(スィ)ーーーーーーーーッ」 
2.「Si(シ)ーーーーーーーーッ」
3.「Sui(スィ)ーーーーSi(シ)ーーーーッ」
4.「Si(シ)ーーーーSui(スィ)ーーーーッ」
5.「Sui(スィ)ーーーZui(ズィ)ーーーーッ」


MENU187

○英語の口の筋力アップトレーニング
 発音の際に動かす口の動きを、声を出しながらトレーニングしてみましょう。口はできるだけ大きく、大げさに動かしてみてください。息は止めずに吐き切って、お腹で切るようにします。

1. WOW WOW WOW  (3回ずつ繰り返す)
2. WAHOO・・・・・ (のばす)
3. WATCH ! (ゆっくり)  WATCH OUT! (スピーディに)
4. WHAT A ____ ! (叫ぶ)
5. YAH−EE (口を大きくあけたまま)


MENU188

○発音について
 英語の発音についても、再度チェックしてみてください。実際に声に出してやってみましょう。
 英語でのhe、her、haveなどは、必ずしもはっきりとしなくとも前後からわかることが多く、軽く発されると、息がhの音にならないことがあるということも覚えておいてください。
→ when he(ウェンヒー)→ウェニー などが、その例です。
 また、haveを見てみると、強形のときに、強くはっきりとした母音で発されます。また弱形のときは、弱くあいまいな、アとウの間のような音になります。
→ have ヘァーヴ ハヴ アヴ ウヴ ヴ   ←強       弱→
 弱形のとき、母音が落ちることが多くあります。次のような例をあげておきます。
→ can(クン)、must(ムス)、to(タ)、do(ダ)、for(ファ)、you(ユ)、some(スム)、been(ベン)(参考:「ヴォーカルの達人」)


MENU189

○ことばのトレーニング
1.ことばをおく余裕をつくりましょう (ポルタメント)
  しっかり、ことばとメロディを捉えること
2.「語り + メロディ = 余韻を残す」 
  ことばを語りかけるように入って、そこにメロディをつける
3.フレージングの練習を、繰り返しやりましょう
  特に出だしなど、繰り返しやって感覚をつかむこと


MENU190

○濁音、拗音のトレーニング
ゆっくり>早く>ゆっくり>早く を繰り返してやってみましょう。話し方のくせのようなもので、発声、発音時にも人それぞれにくせがあります。いいにくい音やことばをチェックしてみてください。

・濁音
がーげーぎーぐーげーごーがーごー  ざーぜーじーずーぜーぞーざーぞー
だーでーじーづーでーどーだーどー  ばーべーびーぶーべーぼーばーぼー

・拗音
キャ キェ キ キュ キェ キョ キャ キョ 
シャ シェ シ シュ シェ ショ シャ ショ 
チャ チェ チ チュ チェ チョ チャ チョ 
ニャ ニェ ニ ニュ ニェ ニョ ニャ ニョ 
ヒャ  ヒェ ヒ ヒュ  ヒェ  ヒョ  ヒャ  ヒョ


MENU191

○ことばのトレーニング
オペラや洋画、アニメなど、感情をこめてセリフがいえるものを選んでことばのトレーニングを続けてみてください。
自分の気に入っている作品や、市販されている脚本などを使ってやるのもよいでしょう。


MENU192

○オノマトペ(擬声語、擬態語)
擬声語と擬態語は、「オノマトペ」と呼ばれます。これを使うことで、目のまえのありさまをあるがままに、生き生きとはっきりと言うことで、イメージやそのときの様子が、まるで目にみえるように伝わるようになります。まっすぐと伝わるために、声をのせて、気持ちをのせて、トレーニングしてみてください。いろんな表現方法が発見できると思います。

A.擬声語のトレーニング
  1.ちゅんちゅん  2.きゃんきゃん  3.ばんばん  4.ごうごう  5.ばたばた  6.じゃりじゃり  7.がちゃがちゃ

B.擬態語のトレーニング
  1.うわっ(と)  2.すうっ(と)  3.まざまざ(と)  4.がらり(と)  5.ずしっ(と)  6.ごそっ(と)  7.ぽつん(と)


MENU193

□チェンジオブペース
自由に緩急をつけながら、一気に読んでみてください。

「さあ、動いた! マヤノトップガンが行った! 有馬記念を制したマヤノトップガンが先頭にたった 昨年の年度代表馬!
そして外から黒い帽子がスーッと上がってきた スッとナリタブライアンがマヤノトップガンの外へ行った ナリタブライアン、
問題は直線! 問題は直線! 400メートルであります  マヤノトップガン、外からナリタブライアン 昨年の年度代表馬と、一昨年の年度代表馬!」 (参考:「声優入門トレーニング」)


MENU194

○声にメリハリをつけるトレーニング
 次のことばをメリハリをつけて言い切ってみてください。「大きく強く太く」というイメージでやってみましょう。

1.オイ! オイ! オイ!(アタックをつけて)
2.Ladies & Gentlemen ! 
3.I love you, I need you, I want you !


MENU195

○ことばのフレーズトレーニング1 (ことばのキレ)
ことばのテンポとおき方に注意してやってみてください。
〔寿限無〕
「じゅげむじゅげむ、五こうの摺り切れ、海砂利(かいじゃり)水魚(すいぎょ)の水行末(すいぎょうまつ)、電来松(うんらいまつ)・風来末(ふうらいまつ)、食う寝る所に住む所、あぶらや小路のぶら小路、パイポパイポ、パイポのしゅうりん丸(がん)、しゅうりん丸のぐりんだい、ぐうりんだいのポンポコピーのポンポコナァの長久命(ちょうきゅーめー)の長助。」


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○ことばのフレーズトレーニング2 (狂言)
自由に間をあけ、リズミカルにいってみてください。
〔五右衛門 (時代狂言 桜門五三桐)〕
「絶景(ぜっけい)かな、絶景かな、春の眺めが価千金(あたいせんきん)とは小せえ、小せえ。
この五右衛門には価万両、もはや日も西に傾き、誠(まこと)に春の夕暮れに花の盛りもまたひとしお、ハテ、うららかな、眺めじゃなア。」


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□ことばのヴォリューム感のトレーニング
ヴォリューム感を出しながら、繰り返しやってみてください。

 クレッシェンド<<<  デクレッシェンド>>>

1.YAH−EE YAH−EE YAH (ヤーイー ヤーイー ヤー)
2.TOMORROW TODAY YESTERDAY!
3.SHOW YOUR UNIVERSE


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○感情のトレーニング
ことばに感情を込めながら、言ってみてください。その前後のシーンを思い浮かべてやってみましょう。

1.ああ、虫が、ないているね。
2.だから、つまり、こういうことなんだよ・・・
3.さようなら、きっと、また、会えるだろう。
4.もう、やめてくれないか、君。
5.やあ、やっと、会えましたね。

出だしの置き方と音の方向性はとても大切です。
何通りもやってみて、自分にぴったりと合うものをみつけていきましょう。
出だしが安定することで、歌全体もまとまりよくなります。

A.「Mother,Mother ・・・」 
1.呼びかけるように
2.怒ったように
3.懇願するように

B.「Brother,Brother,Brother ・・・」
1.話かけるように
2.同情するように
3.遠くで探すように


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○ことばのリズムトレーニング
 次のことばを、< >にアクセントをつけながらとってみましょう。軽快にやってみてください。

1.ダダ<ディ>ダ  ダダ<ダ>ダ  ダダ<ディ>ダ  ダダ<ダ>ダ
2.<ダ>ディディディ  <ダ>ディディディ  <ダ>ディディダー
3.<ダ>ディダ  ダ<ディ>ダ  ダディ<ダ>  <ダ>ディダ


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○ことばのフレーズトレーニング
強調するところを変えて、緩急をつけながらいってみてください。

1.あなたゆえのわたし わたしゆえのあなた
  あなたゆえのわたし わたしゆえのあなた
  あなたゆえのわたし わたしゆえのあなた
2.あなた、どうして、いま、そんなことを、わたしに、おっしゃるのですか
3.夢を見ていた、ずっと遠い日、君もいない、誰もいない
4.真っ白に光る雲、青い空に、小高い山
5.とんでもない、そんなこと、ぜったい、あるはずないだろう

〔チェック項目〕
1.音の動き、乱れのチェック
  1フレーズから1ワードになるまで、ゆっくりテンポを落としていき、そこでの音の動きを確認する
2.姿勢や体、顔、口の動きのチェック
  声を出す状態をあまり変えないこと 口の中での操作などをしていないか確認する
3.リズム、フレージングのチェック
  リズムのキープ、語尾の処理の仕方を確認する
4.音の動かし方のチェック
  自分が気持ちよく出したフレーズを聞き返して、どのように聞こえるか確認する
5.音程のチェック
  音が不安定なところ(危ういところ)を再度、確認する

 

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