はじめに
私は、いつも必要なものは、本当にその人にとって必要なところまで手に入ると信じています。ただ、欲しがってはいても、本当の意味で必要でないことが多いので、身につかないのです。本当に必要なら、そのことがその人の毎日の行動を変えていきます。素直に、そして真剣になります。それを志があるといいます。
しかし、いくら必要性があって志をもち、一所懸命にやっていても、自分のみえないもの、足らないものに気づかなくては、上達はしません。
それに気づくために、他から学ぶことが大切になります。自分を知り、世の中を知り、その接点をつけていくことは、なかなか一人では学ぶことはできません。本当に学ぶためには、まず正しい学び方を学ぶことが、何よりも大切です。
本書は、研究所の会報に掲載された発言などをまとめたものです。多くのレッスン受講生やスタッフと共に歩んできた研究所についての、私の考え方の記録です。これからプロの表現者をめざして生きていく人への助言になるものと思い、まとめてみました。
欠けがえのない一度限りの人生を生きようとするあなたに、勇気と力を与えられたら、そしてあなたの心の支えとなれたら本望です。
福島 英 |