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ヴォーカル、ヴォイストレーニングQ&A

[8]リズム


Q068

リズム感がないといわれたが、リズム感は生まれつきのものですか。また必要なのでしょうか。
A068

音楽にとってメロディ(旋律)、テンポ(速さ)、リズム(拍子)は大切な要素です。しかし、一般的に日本人は、リズムが苦手のようです。特に、ロックやポップスという欧米で生まれた音楽のリズムを、日本人は得意ではないようです。リズム感に遺伝的な要素がないとはいえませんが、後天的な環境が大きく影響していることは確かです。小さなときから聞いてきた音楽のリズムが違えば、確かにリズム感にも違いがでます。しかし、ヴォーカリストにとって、リズム感がないというのは、致命的な欠点です。

 普段からノリのよい音楽を聴き、体でリズムに慣れるように心がけること、さらにいくつかの基本的なリズムパターンを体に叩き込んでおくことです。

 

Q069

リズムに強くなりたいです。リズム感をつけるトレーニング方法を教えてください。
A069

<リズムに強くなるトレーニング>
 基本的なリズムトレーニングをしてみましょう。
 ○を何個か書いてみてください。そして今度は、適当に手で叩くところを●で書き込みます。最初はメトロノームなどを使って、等間隔で刻む感覚をつかんでください。慣れてきたら何度も繰り返したり、パターンを組み合わせるとよいでしょう。
(1)1と2と3と
   ● ○ ○
(2)1と2と3と4と
   ● ○ ● ○
(3)1と2と3と4と
   ● ○ ○ ●
(4)1と2と3と4と
   ○ ● ○ ●
(5)1と2と3と4と5と6と
   ● ○ ● ● ○ ○

 

Q070

いつも、私は歌っている途中でリズムが狂うのですが、どのように直せばよいでしょうか。
A070

まず一つは、音楽はいくら複雑なメロディでも、一定のテンポを乱してはならないということです。感情を込めたり、部分的にリズムを崩しても、このテンポの感覚を失っては、音楽がめちゃくちゃになります。ですから、最初のテンポを曲の最後まで保つこと、一定のテンポ感を保つことは基本的に身につけなくてはならないことなのです。リズムについては、自分の歌を歌詞やメロディでなく、必ずリズムで読むことです。楽譜をみて、メトロノームにあわせ、音符をメロディをつけずそのまま打楽器の楽譜だと思って、手で机を叩いてみてください。足は、小節の頭を打つとよいでしょう。これを何度もやって、体に覚えさせてから歌うとよいでしょう。ピアノが弾けるのでしたら、足でリズムをとりながら、右手で弾いてみるとよいでしょう。

 

Q071

僕は4分の3拍子や8分の6拍子など3拍子のリズムが苦手です。3拍子の感覚を身につけるにはどうしたらよいでしょうか。
A071

3拍子は基本的には西欧で生まれたワルツのリズムです。馬に乗ったときのタンタータン、ダンスのズン・チャッ・チャッのリズムです。ですから、ダンスミュージックなどを聴いてみて、体を実際に動かしてみるとよいと思います。

<3拍子を身につけるトレーニング>
すべて4分の3拍子、4小節、くり返し記号付。
アクセントの位置→(1)一拍目×4小節 (2)二拍目×4小節 (3)一拍目、二拍目、一拍目、二拍目 (4)三拍目、2拍目、一拍目、二拍目

(1)1拍子目にアクセントをつけて手でたたいてみましょう。
(2)2拍子目にアクセント
(3)アクセントの位置をずらします。
(4)アクセントの位置をいろいろと変えてみましょう。

 どこにアクセントができても3拍子の123、123、はいつでも体で感じていられるようになるまでトレーニングしましょう。

 

Q072

楽譜が苦手です。特にそこにかいてあるリズムが読めません。最低限これだけは覚えておくとよいことを教えてください。
A072

<基本的な音符>
[単純音符]
◎全、二分、四分、八分、十六分音符
[符点音符]
◎符点二分、符点四分、符点八分の符号
[休符]
◎全、二分、四分、八分、十六分の符号

 楽譜は、これらの音符が組み合わされた記号です。楽譜を見て、リズムが理解できるようにがんばりましょう。まずは記号の読み方とその意味をマスターしましょう。

[9]音程