クライアント(レッスンの受講生)について

 

 現在、ブレスヴォイストレーニング研究所には、いろんな分野のプロの方も、いらしています。もちろん、一般の方も歓迎しております。(私自身も、1993-2000年はプロより一般の方の指導に専念していました。)
 今では、日本トップクラスの劇団の役者(劇団四季正会員、準会員(複数名)、宝塚歌劇団)、声優(『千と千尋の神隠し』や『24時間』出演のプロの声優複数名)から、ベテラン歌手までいます。これまでにミュージカル、エスニック、民族音楽、人形劇などのパフォーマー、落語家(噺家)、お笑い芸人、邦楽、長唄、小唄、端唄、義太夫、浄瑠璃、清元、浪曲、謡曲、雅楽、詩吟、声明、ご詠歌、常磐津節、新内節、民謡などでは、師匠や人間国宝のお弟子さんもいらっしゃいます。邦楽に対応できるヴォイトレとしては、稀有の存在と重宝されています。

<レッスンの受講生一覧>(ここ15年の在籍数 約200〜400名)

 ここには、一般の方やプロ志願者だけでなく、すでにプロとして活躍中の皆さん、師匠、トレーナーなどもいらしています。
1.ビジネス:社長、ビジネスリーダー、人前で話す人や声でのコミュニケーションの必要のある人、会社研修、就活、婚活ほか日常のためのヴォイトレ希望者
2.邦楽:
長唄、小唄、端唄、義太夫、浄瑠璃、清元、浪曲、謡曲、雅楽、詩吟、声明、ご詠歌、常磐津節、新内節、民謡ほか(人間国宝のお弟子さんなど)
3.芸人:お笑い、噺家(そのお弟子さん)
4.声優:有名な役どころ出演者多数(代々木アニメーション、ナレーション研究所など)
5.俳優:劇団四季、ミュージカル、劇団多数、そのオーディション受験者
6.アナウンサー、ナレーター:キー局、タレント、司会、パーソナリティ、朗読家、詩人(NHKほか、地方の方もスクーリングによくいらっしゃいます)
7.指導者:合唱団、コーラス、トレーナー
8.声楽、ヴォーカル:オペラ歌手、音大生、音大受験生、ポピュラー、ロック、ジャズ、オールディズ、シャンソン、パンク、ヘビメタ、バンド、弾き語り、シンガーソングライター、エスニック、フラメンコ、バリ、ハワイアン、サルサ、サンバ、ボサノヴァ
9.学者、医師、演出家、劇作家、日本語教師、外国語教師、言語関係、研究者など(特に音声医の紹介中心)
10.大道芸人、影絵、芝居、パントマイムほか
11.声の弱い人、病気や手術後の人(医者と共に)、すぐに声の支障の出る人、性同一性障害
12.その他

<構成比(重複あり)>
 ・プロ 25% ・プロ志願者 35% ・一般、その他 45%
 ・一般・ビジネス 45% ・歌手 30% ・役者・声優・ナレーター 30%


<プロの所属、あるいは出身プロダクション、劇団、出身一覧>

徳間ジャパン、ソニー、バーニング、東音、オスカープロモーション、マウスプロモーション、アーツビジョン、青二プロダクション、アシューズ、81プロデュース、大田プロダクション、キリンプロ、圭三プロダクション、ジャパンアクションエンタープライズ、松竹芸能、ディスカバリーエンターテイメント、ゆーりんプロ、ぷろだくしょんバオバブ、ホリプロ、吉本興業 ほか
劇団四季、宝塚歌劇団、演劇集団円、オペラシアターこんにゃく座、加藤健一事務所、劇団☆新感線、新宿染山泊、劇団スーパー・エキセントリック・シアター、劇団昴、青年座、音楽座、テアトルエコー、俳優座、劇団ひまわり、文学座、俳協、A-team ほか

<レッスンの受講生のデータ>(複数回答で集計)

 ここではどんな人が受講されているのか、よく聞かれます。簡単にまとめておきますと、
1.カテゴリ・ジャンル
 ・歌 30% ・せりふ 25% ・声そのもの 45%
  ポピュラー、ロック、エスニック(フラメンコ、バリ、サルサなど)、ジャズ、シャンソン、邦楽・伝統音楽
  ミュージカル(劇団四季(正会員、準会員ほか)、新幹線、こんにゃく座など
  劇団(関東の劇団関係者、韓国)
  声優(事務所、養成所の所属者)ほか
  ビジネスマン、OL、経営者、自営業者、弁護士、外交官

2.受講のきっかけ
 ・本やマスコミ 40% ・HPやネット 40% ・紹介や研修 30%など

3.受講の目的
 ・声を強くする ・声をよくする ・歌をうまくする ・声を直す(治療補助) ・作品のチェック、アドバイス

4.年齢
 ・12歳から80代まで ※ほぼ20代から50代まで同じくらいの割合です。

5.男女比
 ・ほぼ半数

6.住んでいるところ(通信受講を除く)
 ・首都圏 75% ・関西 15% ・その他 10%

7.方法
 ・通学 80% ・通信 10% ・その他 10%

8.レベル(ヴォイストレーニングでの初心者 全体60%)
 ・プロレベル 20% ・セミプロ 20% ・一般、初心者 50% ・その他 10%

9.出身スクール
 ・他からの転入 30% ・初めて 40% 
 ・他とのWスクール 40% ここだけ 40%

<研究体制と研究所沿革について>

 私たちは声への一般の方の関心を高めることが必要との思いで、研究、レッスン内容を情報公開、出版、HPなどを通じて行なってきました。そこでプロ以外にも一般の方のレッスン受け入れも行なっています。まったくの初心者も他の専門畑の方も歓迎しております。
 レッスン内容は、レッスンを受講される方と個別に相談のうえ、それぞれにとって、もっとも必要と思われることを行っています。

【ブレスヴォイストレーニング研究所沿革】
福島英、トレーナーとしてプロダクション契約多数(ソニー、ビクターほか)、音響技術/尚美学園講師、全国公開セミナーと出版活動開始。
1993年 代々木TKハイツを拠点、専用スタジオにて養成所開始、VH、VCC、ゴスペルクラス、英会話クラス、京都・名古屋クラス開講、全国(札幌、福岡、広島、仙台)公開セミナー。韓国劇団指導。日本デザイン会議出講、サードステージ主催ほかのワークショップ多数。
1996年 代々木日綜ビルにて、ライブハウス式スタジオ(現在、ライブハウス)ほか2ヵ所でV塾を開講。トレーナー、ピアニストなど10名ほどのスタッフと一般向けのグループレッスン制中心とする。
2002年 BVハウスに移転(3F建て一軒家)、プロ、セレブから一般まで誰でも受けられるよう個人レッスン制に。トレーナー10数名とゲストトレーナーでの運営とする。

<声の研究について>

 声の判断と指導には、さまざまな知識や経験がいります。発声の専門の技術だけでなく、周辺の応用経験も含めて、あらゆる分野の学識や身体運動を含むともいえます。
 さらに歌や芝居となると、業界や芸を踏まえた理解や判断が、必要です。また、一般やビジネス分野で、となると、スピーチ、講演、コミュニケーションのスキルや経験も欠くことができません。声をどのように使うのかという目的を見ずに、声そのものの育て方の方向も定められないでしょう。

 他人に対しての指導には、1、2年はおろか、3年や5年でも足らず、10年、15年と一人の人間をみて、その行き先、成果の検証までしなくてはいけません。自らの声についても、それ以上のスパンで知っていなくてはならないでしょう。一人前になるのに25年は要するでしょう。
 つまり、人間の共通の体として、考えていく基本の声づくりと、個人差を踏まえた発声指導、加えて応用として現場で発揮する力をつけること、三面からみていく必要があるのです。

 理想としては、それぞれの専門家から成るチームをつくって、一人の人間につける必要があると思います。
1.声のテクニカルコーチ
2.フィジカルコーチ
3.メンタルコーチ カウンセラー
4.その他の専門家(プロデューサー、ドクターなど)
 また、このチームに医者、言語聴覚士、理学療法士、カウンセラー、フィジカルトレーナーなどの協力をお願いしています。
 声についても、トレーナー一人では心もとないと思われるので、私は複数制を勧めています。(参考:
「トレーナーの選び方」)(ここでは、トレーナーを採用して、2、3年は、必ず他のトレーナーが必ずフォローするようにしています。)
 こうしてみると、自分が歌手だったとか、欧米で学んだとかいうだけの経験や、二十代くらいのトレーナーだけでは、現実的には対処しがたいこともわかります(そのようなレッスンをしているところから研究所にいらっしゃる人が大勢います)。

 私自身は、声楽、ST、MTに加え分野・勉強に
1.大脳生理学、能力・集中力の開発
2.音楽療法、感性や心理学、医学(一部)、身体学
3.経営やマネジメント、プロデュース、未来予測、マルチメディア
 などの勉強、研究をやってきました。

 創作活動については、表現として話すことや書くことについて必要条件でしょう。そこで私は、書く力、話す力についても、伝えてきました。人を動員したり、感動させたりするプロデュースや舞台・演出も、現場での実践経験が必要です。企業や一般の方への指導には、ビジネスやコミュニケーションに通じている必要があります。
 他方、科学面、医学面での経験については、主に専門家との共同研究で補ってきました。桜林仁氏(芸大名誉教授、私の「日本ヴォイス研究所」顧問)について、音楽療法(音楽と医学)について学生の頃から学んできました。
 学校や研究所のプロデュースもして、欧米人、ゴスペル、オペラ歌手など、いろんなトレーナーとも接してきました。生徒だけでなく、いろんなトレーナーを扱うことで得られた経験も大きな財産です。
 現在も音声医学、声紋分析、外国語音声学、メンタルコーチ、フィジカルコーチなどの専門家と、いくつもの共同研究を行なっています。喉頭マッサージの會田先生とは、発声とヴォイトレの分析研究および、診断やリハビリ、調整などにおいて、提携をしております。その人に合った音声医への紹介も行っています。日本語の発音などアドバイスは、NHKの塩原先生などにお願いしています。
 私が独自にではなく、総合的に多くの専門家をアドバイザーに、ここを運営している意味を知っていただけたら、と存じます。


レッスン受講生の方々について>

 ここにレッスンにいらっしゃる人について、よく聞かれます。いろんな方がレッスンにいらっしゃいます。
 そういう方々のここに通われる目的や仕事、それをとりまく環境、トレーニングの現状や指針などについて、参考にしてください。

(1) ビジネス、一般

1 声が聞き返されたり、相手にうまく届かないという一般の人

 ここ10年で一番増えたのが、若い人からリーダー、年配のその分野の第一人者まで、一般の方々です。大きく分けると、他の分野と同じで、すでにかなりの力がありながら、さらにトップレベルにまで高めようとする人と、その組織で平均レベルに達しないために、人並みに追いつけ追い越せという人が多いようです。
 まさに、この研究所の第一の目的である、言語音声力をプロ、役者、外国人並みレベルにするというところに沿っているため、ここだけで可能ではないかと思われる徹底した声の基礎づくりと、その応用としての表現力を磨いてもらっています。
 多くのヴォイトレがその人の状態をよくした(リラックスした)声で満足させているのに対し、ここは根本から体と感覚を変え、小さくても通る芯のある声を養成させています。一言聞いて違う声になるまでです。

 最近は、英語耳シリーズの
「英語耳ボイトレ」(松澤喜好×クレア・オコナー×福島英 共著(アスキーメディアワークス))発刊の影響もあり、外国人教師や外国語教師がいらっしゃいます。一般の人でも、放送や吹き込み、司会、ナレーションのプロと違わないレベルに(声だけなら、それを超える人もいます)なっていきます。日本語、外国語教師もいらっしゃっています。

2 経営者、二世やベンチャー企業も含め、ビジネスリーダーのためのパワフルな声と、その演出

 聞き取りやすい声、信用や説得力のある声、TPOに応じられる声、大きな声で長く話していても、かすれない声づくりなどがメインです。(平田オリザ氏が前首相のスピーチ演出についたように、この分野の必要性はとても高まっています。私も日本経営合理化協会の社長演出塾で、ヴォイストレーニングを行っています。)

3 声の支障のある人のケアとフォロー

 加齢や声の病気、手術(脳も含む)後のケアを、医者や言語聴覚士レベルよりは、健常な状態からフォローしています(もちろん、提携しながらですが)、日常で何とか話せるレベルから、声として人並みに使えるレベル、さらにその上を目指しています。声がつぶれた人が、使いすぎた人のフォローも行っています。また、専門科を紹介しています。

4 アンチエイジング

 声を若々しく保ちたい人には、拙著「人は声から若返る」(祥伝社)をお勧めします。

5 人間関係

 コミュニケーションに悩む方、就活、婚活対策にもどうぞ。

(2) 声優、俳優

1 吹替の声優・アニメの声優

 抜擢されたのはよいものの、声量がないとまわりにいわれ、ここにいらっしゃるパターンが増えています。日本ではどの業界もアナウンサー、ナレーター、声優、タレントとアイドル的に、現場で通用しないままに合わない役や無理な仕事を2−3年やって、つぶれるパターンが多いのです。

 私どもは現場優先で考えつつ、プロとして通用する見せ方(声の使い方、マイナスを消すこと)とともに、本当の基礎力をつけていくトレーニングを別に一本引いておきます。この二段構えの戦略は、とても高度で難しいものです。
 アニメなどについても、その人の声と合っていないときは、できる限り、本来の声に近づけるか、割り切って痛めない形で演じさせ、トレーニングとしては本人のもつ本来の声を伸ばすところに専念させています。アニメ声も声を壊す原因となっています。

2 俳優・役者・劇団員

 ここには多くの著名な劇団の方が、ある人は劇団から、またある人は個人で、ある人はこっそりいらっしゃいます。(残念なことに、外部に習いにいくのを知られるとまずいケースがけっこうあるのです・・)
 本人の声力向上とともに、若手の教育指導役として、ときには若手も一緒に連れてきてもらっています。発声のしくみや方法をモデル(模型)や図で、理解してもらい、必要に応じて音声学などに関する知識も身につけてもらいます。

 かつては、大声や腹筋の鍛錬で、現場での大きくはっきり発音することで、声を鍛えてきた方が多いのですが、今は通じにくくなっています。体型も顔の作り、舌やのどの筋肉も鍛えられる条件を満たしているとはいえなくなっているからです。顎関節症、歯の矯正なども、相当数おり、まずは一人ひとりの体とのどの健康のチェックから、タイプ別にトレーニングを選ぶことです。

 あまりにすばやい動きを取り入れると、体や呼吸がしっかりとあがっていない役者さんは、やはり口の中でつくった顔面でひびかすような高い声でしのいでしまうのです。そうでないと、のどに負担がかかるからです。豊かな太い声のない日本人、日本の声楽家とも、共通する特長ですから、今更ながら、こと上げるつもりはありませんが、なぜ多くの専門家はそこに気づかないのか、無視するのか、知っていても、現実、目をつぶっているのでしょうか。もっとも研究するときは、「アー」と一言出したときの迫力の違いからやるべきでしょう。

3 お笑い芸人・噺家

 お笑い芸はもうそういう呼び名でなく、タレントやアーティストといってよいでしょう。音楽プロダクションがあるとき、芸人をよこしたのにびっくりしたのが嘘のようです。今やマルチタレントとしての力、歌唱力、ナレーション力をもち、司会、ナレーター、声優、役者(歌手)、作家、映画監督と、すべてにおいて、その才能を発揮している人が多いといえます。
 ドリフターズにみるまでもなく、音楽と漫才などは同じ分野でしたし(エンタツアチャコのしゃべくり漫才の前は一般的に漫才には楽器があったのです)、お笑いにミュージシャン志望だった人がたくさんいるのは明らかでしょう(かぐや姫など、コミックバンドはお笑い系ですし、さだまさしさんなどは噺家を目指していたので、そのステージはトークショーですね。というより、日本の歌手のステージはもうMCなしにもたないと思っています)。
 噺家(落語家)やその弟子さんには、ここはおなじみの場となってきています。

 私がみるのは、声の表現力です。M1グランプリで、これまで3組ほどがみせた、声の使い方と間とタイミングの完璧さ、並のミュージシャン以上の体、声、ことばの説得力、アドリブ、対応力などに、私は日本のジャズヴォーカルなどよりも、ずっとジャズを感じるのです。
 現場に日本らしからぬ厳しさがあるので、5分間のネタをやるにも、今の歌手の何倍も練り込んでいます。それを高音域をとったり、無理に伸ばさないから(まさに読経でヴォイトレしているお坊さんの声のように)、声も滑舌もよくなるのですね。私どものところでは、ネタではやらずに、滑舌のほか、声量や声のトーン、声の高低などを基礎トレーニングして、応用性を高めています。

(3) 歌手、その他

1 J−POPS歌手、ベテラン歌手、リバイバル歌手

 若いときに天性と感性だけでプロとなった歌手の5年、10年、20年たったところでの声の調整のレッスンは、口コミも通じてかなり多くなりました。年配のプロ歌手で「人は声から若返る」を読んでいらっしゃる人も出てきました。
 もともと、ここにベテランの歌手がいらっしゃるときは、20年前はプロになれたけど、本当に声の能力を活かせたのか再検証したいとか、基礎の固め直しやエイジング対策(アンチエイジング、老化防止)が多かったのです。[紅白出場歌手、銀巴里歌手など]
 しかし、今や第一線から少し退いたため、発声やそれを司る器官の働きが衰えたり、若い頃のうまくいかないということでいらっしゃるのです。ポピュラーの発声に理解と経験のある声楽家をトレーナーとしている私どものところでないと、プロの細かい要求には、応えられないでしょう。(たまに、歳とともにますますよくなったからといらっしゃる人もいます。)

 研究所はいろんなタイプのトレーナーがおり、日本のほとんどのノウハウや声楽のベースのトレーニングが多くのタイプに当てはまるだけ、ヴァリエーションを持っています。しかも、CDやライブの音源を聞いて、声の微妙な違いや歌い方をチェックして、元に戻せるのかどうか、先にはどうなるのかをアドバイスしています。レッスンからさらに、レコーディングやライブのアドバイスまでするようになったプロも増えました。過去と現在との声紋分析のデータなども参考にしています。

2 邦楽家、エスニック音楽の歌い手

 こういう異色分野の方が数多くいらしているのが、私どもの研究所の大きな特色であり、誇りともいえます。もう15年も前にグループレッスンの頃、長唄の人間国宝の方のお弟子さんがいらっしゃいました(今は師匠)。個人レッスン体制にしてから、小唄、端唄から狂言、神楽など、これらも人間国宝のお弟子さんから何名もいらっしゃいました。その都度、こちらも一から勉強でした。そういえば、当時(も今も)話題の落語家が弟子をよこしたり、ブレイク前のお笑い芸人や、レゲエやラップなどのアーティストが来ています。

 私どものスタンスは、それぞれの芸事はわからないが、声の伝わるところがわかるのと、一度その分野でのしばりを外して、世界共通の人間の体から発声の基礎の基礎のところで声を取り出していくので、そこからはご自分で考えてくださいというスタンスです。将来、師匠が「なかなかお前も柔軟になってきたじゃないか」といったら、オンの字とお考えくださいで、OKしていただき、やっています。
 つまり、ここでの複数トレーナー体制と同じで、全てを教えつけることをメインとせず、あなたが気づき、学んでいけるために気づきの材料として置いていくのです。これまでの発声や唄やせりふの「やり方」をなくし、無として、もう一度、体も感覚も鍛え直してしぜんに本来もっているものが、先に生きるように導いていくということなのです。

3 ミュージカル俳優

 子供ミュージカルで声を痛める人が少なくありません。ここでは詳細を述べませんが、是非いらしてください。劇団四季は正会員、準会員もいらっしゃっているだけでなく、オーディションに対しても毎年、2ケタに近い人数が受けるようになり、入団しています。
 日本のミュージカルでデビューするなら、声楽は必修です。東宝、宝塚の人もいらっしゃいます。
 ミュージカルなら、ここで最低、音大卒業と同じだけの力をつけるように助言しています。声楽家のレッスンだけではどうしてもポピュラー特有のリズムやオリジナリティに欠けるので、別に補強しています。(まだまだ、日本のミュージカルのレベルでは、欠けているのですが)

 期限が切られているオーディション、受験対策などは、プランニングして進めます(他の劇団や音大の受験も同じです)。とても狭い世界なので、信用やコネクションも大切です。きちんと力をつけていけば、長く続けられる、歌唱技術を活かす職として残っている分野となりました。

 尚、劇団のトレーニング法や目指す発声もそれぞれに大きく違い、私としては、あまり感心できない(それゆえ、世界一流やブロードウェイレベルにならない)のですが、日本のミュージカルという興業を成功させられたのも、それゆえという、残念な矛盾があります(これは今のJ−POPSにもみられる傾向で、個人の歌の力が弱まっていくのは、またトレーナーもそれに合わせていくのは、どうも困ったことです)。

4 ゴスペルクワイア、合唱団

 20年ほど前、ゴスペルの講座を開き、10年ほど前は黒人のトレーナーにグループレッスンをお願いしていました。そのことと関係なく毎年、必ずレクチャーに20人以上いらっしゃり、その半数くらいはここでがんばっていらっしゃいます。指導方針は、ミュージカル俳優とほぼ同じです。

5 ジャズ、ボサノバ、ラテン、ハワイアン、シャンソン歌手

 地方でプロとして活躍している歌手は、月に1、2回レッスンするパターンが多いため、そのときに60〜90分、まとめて2〜3人のトレーナーがみるようにしています。(私やトレーナー1人の人もいますが)
 ここのレッスンは、最初は回数もトレーナーも多くつけて欲しいのですが、3,4年経ったら、月に1,2回とか年に何回かという形でフォローする体制にしています。10年以上いる人が、二ケタ存在するところとなり、やめずに休会して、長く会報購読をして自主レッスンに励んでいる人が三ケタ(100名以上)もいるというのは、本当にありがたいことです。こういう人たちの残してくれた経験と結果で、新たに研究とよりよいトレーニング環境が日々、改善されていくからです。

6 オペラ、歌手、声楽家

 声楽家も先生の選び方や相性で悩んでいる方が、少なくありません。旧泰然としたクラシック界において、トレーナーの技術は、上意下達のまま、今の時代にとても合っているとは思えません。

 私は、日本の声楽の一部には、すべての日本人に必要となる確かな技術の基礎があることを認めています。ただそれが様々なタイプの人にうまく対処できていないので、その問題を解決する試みを続けてきました。一流のオペラ歌手を育てるにはまだここは人材不足ですが、一流のオペラトレーナーにつくまでの基礎づくりや日本のオペラデビューには対応できると自負しています。兼ねられている人もいます。一般の方でオペラを歌いたい人にはとても適していると思います(ベテランのポピュラー歌手にも、2年目からオペラのための発声教本によるトレーニングを勧め、喜んでいただいているほどです。)

7 ヴォイストレーナー

 なぜトレーナーが、ここのトレーニングにつくのかというなかれ、クラシックでも邦楽でも生涯、師をもつのは珍しくありません。上達をしたり、人を教える立場になってこそ、自分とは違うタイプの生徒さんにどう教えるのか、今の方法がベストなのか、もっとよい方法はないのかなど、たくさんの経験を積んだ先達に聞きたいことは山ほど出てくるものです。ちなみに、分からないことがたくさん増えていくことが本当に学ぶということなのです。

 私もここのトレーナーも、また、師および、いろんな専門家に絶えず教えを仰いでいます。専門家であればこそ、専門のことを学び続けるとともに、専門外のことは、専門家に任せられるようにしなくてはなりません。
 ここでは、本人の声力アップに加え、様々な事例をケーススタディでアドバイス、もしくは共同研究しています。主観に頼りすぎないために、声紋分析など、最新の科学ツールも活用しています。


その他に、こんな方もいらしています。

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