私のハハハ!の新作です。いつかすべて過去の作品や別ネームで発表したものもオープンしたく存じます。
A:愛の歌謡曲 B:きまぐれラップ C:現代詩編 に分かれています。(これからも、ときたま手が入ります。)
随時追加アップしますので、たまにチェックしてみてください。
<関連作品集 【アーティストについて知る作品集】>
◆「ミルバ’98」「Artist 美空ひばり」
◆あとがき1 キツネの話
◆あとがき2 人と歌と生きざま
◆詩ブログ
A
A1
「君のいるかぎり」
心が変われば 世界も変わる
君の愛があれば いつか気づく いつか学ぶだろう
太陽のあるかぎり
月のあるかぎり
空気のあるかぎり
夢のあるかぎり
君のいるかぎり
夢を抱けば 明日が変わる
君の愛があれば いつかできる いつか成せるだろう
太陽のあるかぎり
月のあるかぎり
空気のあるかぎり
夢のあるかぎり
君のいるかぎり
[DATA
: A0001 060210/060528改訂]
A2
「遠い街」
遠く思いはせた夢を追い求め
この空の向こうに行ける日がくるだろうか
あきらめ嘆き しがない思い抱え
汽車に飛び乗り 深みのない明日に
腕をさしのばす つかめない
街は燦然と輝き 若く弾む声
喧騒の中に一人ひざを抱え
今日を捨てる 何もみえない
想いだけで身を起こし
心だけで生きていく
歩き出しても 言葉は交わらない
心は灯らない 光はどこにもない
でもきっと 明かりをみつけるだろう
確かな 夢をみつけるだろう
だから 今 今 突っ走っていく
[DATA
: A0002
060210/060528改訂]
A3
「もし世界に声がなければ」
もし世界に声がなければ
人は豊かにならないだろう
争いはやまないだろう
人は救われないだろう
愛は 育まれないだろう
あなたとは いられないだろう
力よりも お金よりも大切なのは
人の声 あなたの声
もし世界に声がなければ
夢を語れないだろう
自分の思いを伝えられないだろう
人は優しくなれないだろう
愛は 育まれないだろう
あなたとも いられないだろう
力よりも お金よりも大切なのは
人の声 あなたの声
[DATA
: A0003 060210/060528改訂]
A4
「ただ、それだけ」
なんだか私、わからない
なぜあなたが好きなのか
何にこんなにこだわってるの
いつもあなたを心に感じている
私のなかに、いつにも増して
そのことで私がわかるほど
あなたのしぐさ、その一つひとつに心動く
でも、さみしいの 一緒にいて
なぜそんなに私を怒らせるの
何もいわず、あなたは出ていく
どうして私を置き去りにするの
でも、さみしいの 一緒に眠って
あなたに仕返しするため、いつも考えている
そうして過ごすのがちょっと楽しいの
でも、さみしいの 一緒に話して
私いつもいつも、あなたのこと考えている
ただ、それだけ
あなたの気を引くために
わざと友達に電話をする
少しも気にかけないあなたに
私の自信はすっからかん
私は私を保てない いつの日か別れるかしら
それを運命というのは簡単だけど
私はあなたが去るのがこわい
今はこの心地よさに浸っていたい
ただ、それだけ ただ、それだけ
[DATA
: A0004 060210/060528改訂] △ページトップへ
A5
「ハートを燃やすのは」
あなたに会ったそのときに
あなたをなつかしく感じてた
転んで、泣いて、立ち上がる
あなたにいつだったか 私を感じてた
今は、まだ安らぎの闇
そのハートを燃やすのはあなた
いつかまた舞い上がるだろう
そのハートを燃やすのは
あなたに会ったそのときに
あなたに安らぎ感じてた
無邪気に、笑って、微笑む
あなたに信じる心を取り戻した
今は、まだ無人の住処
そのハートを燃やすのはあなた
いつかまた舞い降りるだろう
そのハートを燃やすのは
[DATA
: A0005 060210/060528改訂]
A6
「美しい愛」
美しい愛は甘い香りに包まれ
あなたの微笑みはエンジェルのよう
何もかもが止まっているような
陽だまりがカーテンの隙間から
あなたの頬を輝かす
喜び苦しみ悲しさを
愛は乗り越えていくよ
美しい愛は、風のようにどこにも入りこむ
あなたの指にそっと頬を寄せれば
あなたの微笑が温かく揺れている
あなたに会ったそのときから
[DATA
: A0006 060210/060528改訂]
A7
「罪と罰」
若かった それが罪なら
こうして 年月が罰となる
若かった それで気づかぬなら
こうして 気づくことが罰となる
あのTシャツはもうなくした
雨で濡れては 風で乾いた
色あせるのを見ないまま
そして君を失った あの日
あの水着を最後にみたのは
強い日差しに汗 波にさらわれた
青いジーンズは、すっかり白くなった
そして君は消えた あの日
あの靴を見かけなくなった
濡れた道 君を訪れ
いつの間にか かかとつぶれていた
靴ひもはすりきれ 切れた
そして君は行った あの日
美しい愛は甘い香りに包まれ
あなたの微笑みはエンジェルのよう
[DATA
: A0007 060210/060528改訂]
A8
「コパ・ビーチ・ラブ」
コパでみつけた 熱い少女
ひざをかかえて 砂浜に一人
青い海はまるで絵のような
白い砂 プラスチックの破片みたいに
彼女のふくらはぎに
君をみていた 常夏の海岸(ビーチ)で
真っ青の空はまぶしくて
ヤシの実 細いつま先に彼女は転がしてた
君をみつけた コパの海岸(ビーチ)で
[DATA
: A0008 060406/060629改訂] △ページトップへ
A9
「浜唄」
あなたが教えてくれた 浜をなぜか
訪れていた
もういない
置き忘れてしまった あなたを拾えるかと
電車にのった
そんなこと 何もならない わかっている
大きく広がる海をみたかった
あのときの風に吹かれたかった
心をすっかり洗い流したかった
あなたを連れていった 岬をなぜか
めぐっていた
もう去った
別れもなかった あなたを離れて
そんなこと 何になると思っていても
青く突き抜ける空を 飛びたかった
心をすっかり広げさらし 乾かしたかった夏
[DATA
: A0009 060406/060629改訂]
A10
「あの店は、もう」
あなたは知っているだろうか
朝までしゃべっていたあの店の
看板がもう、おろされたことを
時は過ぎ行き 帰り来ぬは、若き日々
誰も訪れぬ 黒い木戸の錆びついた錠
あなたは覚えているだろうか
あの店でコーヒーをいれていた
お似合い夫婦の亡くなったことを
時は過ぎ去り 戻り来ぬは若き人々
誰も使わぬ くすんだ白いコーヒーカップ
[DATA
: A0010 060406/060629改訂]
A11
「去りゆくあなた」
ビル街に降りそそいだ 夕焼けが映える
手を振るあなたに別れの一言
こらえた悲しみ 涙に染めよう
この悲しみがやさしさを教えてくれるなら
ああ 私の愛しつづけた人
もう その面影も眠りのなかに
きっと長い夜は明けるだろう
それでも きっと
夜風の強い並木道 なまめかしい
消えていくあなたに最後の一言
泣き疲れた眼に冷えた頬
この苦しみが孤独をいやしてくれる
ああ 私を愛してくれた人
もう そのやさしさも届きやしない
もっと明るい朝がくるだろう
それでも きっと
[DATA
: A0011 060406/060629改訂]
A12
「ネオン街」
窓の外には蜘蛛 路地の角には男が三人
獲物を狙って半眼の夕涼み
うす暗い街 うす汚いネオン
ネオンとオンナ 昨日を捨てきれぬ男と
昨日を捨ててきたオンナ
いつまでも会えない出会いのなかで
黄色いランプがチカチカ回りだす
質屋に入る客に一べつして去るオンナ
別世界といいながら そこに本音はないんだ
ただのエリア 倒れたままの砂時計
時が止まった気がするだけ
針のない 明日のない 明けない夜が更けていく
本当のことは言わないで 何もかも忘れたいから
たった一言でも漏らしたら
私 殺しに行くからね
茶番を本気で演じ切る街 ネオン街
[DATA
: A0012 060703/060728改訂] △ページトップへ
A13
「人を生きる」
人生はどうでしたか
あなたにとって 人生はどうでしたか
(うぜえ問いだよ さっさと消えちまいな)
何が一番楽しかったですか
何が一番喜びでしたか
何が一番悲しかったですか
喜怒哀楽、味わいつくしましたか
(うぜえ問いだよ さっさと消えちまいな)
そんなことを考えずに 悩み苦しみ涙して
人を生きた この人生に
いつから 人生を置き去りにしたのか
忘れちまった
夢や希望や期待や可能性や
思い描いていた幸せや愛やもろもろと
ちっぽけなものでも 大切で
大切だから大きなものであったでしょう
傷つき裏切られ落ち込んで
人を生きた この人生に
いつか私も尋ねられるだろうか
あなたの人生はどうでしたか
(答えられねえ問いだよ もうやめてくれ)
そう遠くない日に
そうして生きて 死んでいった人たちのように
そうして生まれて これから生きていく人たちのように
私の人生はどうでしたか
(もうやめてくれ)
[DATA
: A0013 060703/060728改訂]
A14
「夜にさよなら」
私は夜にさよならをいう
朝に新しく生まれ変わるために
いつか 生まれない朝もくる
夜は死 孤独な死 自由な死
親しかった人を思い浮かべて さよならをいう
ありがとう 私の友達 私を育ててくれた人
私は夜にさよならをいう
朝に再び生きている奇跡を願う
いつも生まれるとは限らない
夜は絶望、一人っきり、旅立つ夢境地
愛した人をいとおしんで さよならをいう
ありがとう 私の恋人 私を愛してくれた人
[DATA
: A0014 060703/060728改訂]
A15
「人生がけっぷち大一番」
忍んで忍んできました この道を
追い詰められて苦しんで
たどり着いたこの場所に
いっそこの身を投げたなら
ひらひらと美しく舞っていくでしょうか
人生がけっぷち どん底勝負
引くか 成るかの ここ一番
どうせ落ちてひしゃげる身ならば
賭けてみるのも余興かな
さあさ 集まれ みやがれ
残さず一肌も二肌も脱いだなら
ひらひらと美しく散っていくでしょうか
人生がけっぷち どん底勝負
一世一代の大一番
[DATA
: A0015 060807/060902改訂]
A16
「あの歌 その声」
靴先をみつめて 小石を蹴って その転がる先に足を向け
3回蹴ったら 溝に落ちた 何だか僕の人生みたいな
なぜそうしたのか今もわからない
こんなとき胸につっかえる想いがあがってくるよ
あなたを想い出す なつかしい景色とあの歌声
時とともに色あせて透き通ってくる美しき日々
嫌なこともあったけど 今はもう流されて
流れてしまったのは 僕なのだろうか
テーブルの紙ナプキンを折って 何をつくろうと考えることもなく
3回折ったら くしゃくしゃになった 何だか僕の人生みたいな
なぜそうするのか今もわからない
こんなときのどにつかえていた言葉がはずれるよ
あなたを想い出す なつかしい景色とあの歌声
時を経て色鮮やかに蘇る 輝く美しき日々
いいこともあったはず 今はもうどうでもいい
どうでもよくしちまったのは 僕なのだろうか
[DATA
: A0016 060807/060902改訂] △ページトップへ
A17
「こんな夜には」
ベンチで寝ていた 彼女と歩いた夢をみて
街の喧騒が静まった夜更けに
酔いざめて 誰かの声が聞こえた
何かが起きそうなこんな夜
通りすがりのカップルのつぶやく声さえ丸聞こえ
夜の冷気が歯にしみる
月が何かをしゃべったみたい
よく聞こえなかったけど
遠くでクラクションがなって
僕のハートがその余韻を感じてた
星が何か目くばせしたみたい
よく見えなかったけど
遠くでネオンがぼやけてにじんで
僕の目に少しだけ涙がたまっておちた
[DATA
: A0017 060807/060902改訂]
A18 「FOR YOU(あなたのために)」
あなたのために 涙を流します
今日ばかりは 自分のことを忘れて
これまで歩んだ道を思い返しながら
あなたのために 微笑みます
楽しかったこと 悲しかったこと
いとしい時代を想い出しながら
あなたのために 涙をふきます
明日を生きる 勇気をください
これからも力強く 歩めるように
だから 変わらない この歌うたうよ
だから 変わらずに この歌うたうよ
[DATA : A0018 070807/071023改訂]
A19 「カバンにつめて」
あのときに戻りたくて 街を訪ねたことがありますか
そういうときは必ず一人 荷物は持ちたくないの
心がからっぽ そして 一杯になりそうだから
想い出なぞ 持ち帰りたくないの
だけど 捨て去ること できなかった
だから けじめつけにきたのに
あなたのいない街に 何に甘えているのかしら
めぐれ めぐれ 暦よ めぐれ
そして私の過去をかっぱらって
めぐれ めぐれ 街よ 消え去れ
私の愛した人とともに
あのときに戻れなくて 街を訪ねたことがありますか
そういうときは何か変わったことによく気づくの
心が変わったの それとも 街が人が変わったのと
そのままなら、耐えがたいけど 救われた
時は昔の想い出を奪い去り 変えたのね
だからけじめをつけにきたのに
あなたのいない街に あなたを探している
めぐれ めぐれ 暦よ めぐれ
そして私の過去をかっぱらって
めぐれ めぐれ 街よ 消え去れ
私の愛した人とともに
[DATA : A0019 070807/071023改訂]
A20 「シャボン」
あれは幼い日のよくある朝のはじまりだった
僕はパワーにあふれていた
何たってあの娘に会える
それは恋の芽ばえし幼き胸一杯の
花咲く夢のまだ見ぬ
あでやかな一幕だったのさ
そのときちょうど鐘は鳴り 僕を祝福してくれた
僕はうれしさのあまり そうとしか聞こえなかった
たとえそれが淡いあの娘の
恋の終わりを告げたとしても
石けんのシャボンはじける
さわやかな一幕だったのさ
[DATA : A0020 070807/071023改訂] △ページトップへ
A21 「壊れた時計」
むなしく通り過ぎていく日々
時計はこわれた なのに時間は止まらない
私の胸の鼓動は 命を刻んでいる
今はもうはるか昔 あなたを愛した
その愛、あなたはすべてを持ち去った
瞳のぬれた日 黒いアスファルトに光がゆらいでいた
今日もまた日が暮れ、過ぎ去っていく
失ったペンダント 今はどこにあるのだろうか
あなたの写真も どこに埋もれている
なのにもうはるか昔 あなたを愛した
その愛、今も色あせず輝いている
拾い集めることも かなわぬ夢
あなたが捨て去ったかけらなのに
今も私の胸から抜けない
[DATA : A0021 070807/071023改訂]
A22 「4
SEASON FOR YOU」
僕は君のために何をしてあげられたのかな
まだ 君のためにできることあるのかな
あとどれだけ春を迎えるのだろう 若葉の匂いもかかずに
季節はめぐり 人はめぐり 草木は萌え 夏がくる
今からでも 遅くはないかい
君と生きた人生 やりなおせなくとも
これから 築くことはできないかい
君は僕のためにこんなにしてくれたのにね
もう 自分のためにできることしていきなよ
あとどれだけ秋は暮れゆくのだろう 紅葉の色も目に入れずに
季節は移ろい 人は去り 山は色づき 冬がくる
今 僕は素直にいえる
いろいろと ありがとう ようやくわかった
これまでを どんなに感謝しても尽くせない
[DATA : A0022
071029/071214改訂]
A23 「どん底に悲しいときには」
どん底に悲しいときには 詩が聞こえるよ
誰かが歌った詩 ずっと昔に聞いたよ
大声あげて泣きはらした眼に 純度の高い思い
大きな後悔 小さな悔恨
こんな気持ちを大切にしようよ
過ぎたことはまた巡りくる
忘れたことにも また出会うもの
どん底に悲しいときには 詩ができるよ
誰もがいつかそう感じ ずっと昔に歌ったよ
涙も声も出つくして 手には一本のペン
思いのたけを 世界で一番短い詩に
こんなことは 長くは続かない
もう少したてば きっと晴れるから
真っ青な空に 輝く太陽になろうよ
どん底に悲しいときには 詩がしみるよ
誰かが歌った詩 ずっと昔から歌われてきたよ
小さく口ずさみ その人を偲ぶだけで
心は落着き 気は安まる
[DATA : A0023
071029/071214改訂]
A24 「どんな日にも(歌は私を勇気づける)」
何もいいことのなかった日にも
街に出れば 笑顔がある
街を歩けば 笑い声がある
目をつぶって聞いて元気だそう
もうつまらない顔はやめて 笑えるよ 笑ってみよう
とてもひどいことだらけの日にも
窓の外には 草木が茂る
地の上で 虫が生きている
ちっぽけな生命 燃え尽きるまで
もうすっかり忘れて 生き返ろうよ 生きてみよう
救いようもないほど 悲しい夜も
雲の向こうに 月は輝き
天の下に 誰もが生きてきた
宇宙のなかの私 私に宇宙がある
もうあなたがいなくても 私は生きていける
どんな日にも 私は大丈夫だよ
生きて生かされ 生かされ生きて
何かをするため 何かであるため
今日も生きていく まっすぐに
今日も生きていこう 前に向かって
[DATA : A0024
071029/071214改訂]
A25
「どんな思いで」
人間いつまでも生きられるものじゃないから
だからこそ ぼくは許せない
人を殺すものも 自分を殺すものも 許せない
それは自分のものではないから
他人の命も 自分の命も
自分に与えられたものでないから
自分の子供が天からの授かりもの
借りものというように
いつかは天に返さなくてはならないもの
「どんな思いで」 生きようとしている人がいるのか
「どんな思いで」 生きている人がいるのか
「どんな思いで」 死を見据えている人がいるのか
「どんな思いで」 死と闘っている人がいるのか
「どんな思いで」 もっと生きたかった人がいたのか
「どんな思いで」 まだ死にたくなかった人がいるのか
それは 幻でも 夢でもない 現実なのだ
あなたの今 生きている世の中 そのものなのだ
その星の定めた宿命を自分の意志で
何人も変えてはなるまい
「どんな思いで」 「どんな思いで」
その思いを思いはかろうよ
「どんな思いで」あっても人を殺してはならない
自分を殺してはならない
かつて憎しみを愛に変えた人がいた
かつて怒りを慈しみに変えた人がいた
そして、人の憎しみと人の怒りを
人の愛と慈しみに変えた人がいた
「どんな思いで」 生きようとしている人がいるのか
「どんな思いで」 生きている人がいるのか
「どんな思いで」 死を見据えている人がいるのか
「どんな思いで」 死と闘っている人がいるのか
「どんな思いで」 もっと生きたかった人がいたのか
「どんな思いで」 まだ死にたくなかった人がいるのか
「どんな思い」もあなたしだい
「どんな思い」もあなたがとどめ
よい方にもっていくことができる
そして その思いが必ずあなたを救う
きっとよい人生を よい終焉をもたらす
[DATA : A0025 W0/080531 W1/080609改訂] △ページトップへ
A26
「僕はあのとき」
わずかな運命のすれ違い
出会った友と出会ったときと
いたところが 私を殺した
それでも 人は悲劇さえも いや
不条理なものほど人に働きかけ
時代や世界を変えていく
変らざるを望むものは
いつかは滅び 変えたものも
いつしれず また変わり
万物流転して 留まるところを知らず
僕はあのとき どこにいたのだろう
僕はあのとき 何をみてたんだろう
[DATA : A0026 W0/080609 W1/080731改訂]
A27
「もう愛のかけらもない」
愛の終わったとき 私は旅立つ
愛の終わったとき 私の心は死ぬ
愛の終わったとき 季節は巡らず
愛の終わったとき すれ違う人はスローモーションに
ガラスの向こうで
降りゆく雪に 自ら溶けていく
そして過去が今を追い抜いていく
一人静かに 火のないたばこを唇にはさみ
それは愛の終わったとき
もう愛のかけらもないとき
もうわずかなぬくもりも感じられない
愛の終わったとき 私は動けない
愛の終わったとき 目の前は真っ白な闇に
愛の終わったとき 疲れは感じられず
愛の終わったとき 天国をさまようかのような地獄の日々
グラスの中に ためた想いが
赤くしみていく
そして過去が今を追い抜いていく
一人静かに 灰もないたばこを唇にはさむ
それは愛の終わったとき
もう愛のかけらもないとき
もうわずかな灰さえ残っていない
Ah〜 Ah〜 Uh〜 Uh〜
[DATA : A0027 W0/080425 W1/080603 W2/081208改訂]
A28
「地震が与えた自分自身への自信」
ゆれて ゆれて 足元ゆらして
何もかも失ってしまった
マグニチュード 4 5 6・・7・・・8
地球の怒りの犠牲に 命を落とした不幸に
命を救われた幸せも 重くのしかかる
そこに流れよ ピアノよ 歌声よ
そして 時代は 地球は まわり続けたよ
そして 時代は あなたは まわっていくよ
失われた命は 生き残ったものに 受け継がれ
だからこそ 生きることを
大地をふみしめて 強く 生きることを
傷つく心 冷たい風がすり込まれる
でも 歌声は ピアノの音は ひびきわたる
老いた者よ 銃を置け 心を静めよ
若き者よ 未来を切り拓け
悲しみに失われる 希望はない
あなたが自信を持てば 未来はきっと輝くのだから
[DATA : A0028 W0/081023 W1/081112 W2/081211 W3/090818改訂]
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A29
「私が唄をうたうのは」
私が唄をうたうのは とても幸せなとき
幸せ気分で 感謝に満ち足りて
人に何を与えたく思うとき
私が唄をうたうのは とてもつらいとき
苦しみまぎれに人に救いを求め
叫びたくなるとき
同じこの地上で 満ち足りている人と
絶望の中で 苦しんでいる人がいて
それを思うに 自らの幸せも 苦しみも
さしたるものでないと けっこうどうでもよくなってしまうけど
人の心が欲しいとき 人の体が欲しいとき
人の心は心を 人の体は体を求め 求め合う
ムンクは耳を閉ざさず 目を閉ざす
自分は叫びたいのに 人の叫びは聞きたくない
人の叫びは聞こえるのに 自分の叫びは聞こえない
人の心は手に入らず 人の体はあっても結ばれず
無限のように 街にあふれる 心 体 心
無限のように 街にあふれる 体 心 体
それを私は遠くから ながめている
その私を誰かが遠くから ながめている
そんなことを望みつつ いつ知れず あきらめて
今日も帰路につくのだ
詩は虚無 そして 廃墟の生の産物
[DATA : A0029 W0/081023 W1/081112
W2/081211 W3/090818改訂]
A30
「もうボクは主人公でない」
いつ知れず時はめぐり
ボクをまわりに押しやっていくよ
ボクは円を離れて さまよい出すよ
まるで軌道を離れた衛星のように
地上にボクを見上げる人はいない
もうボクは見えないのだから
宇宙をさまよっているのだから
ボクは地を離れて さまよい昇るよ
まるで廃材置き場から焼け出された煙のように
この国にボクを見届ける人はいない
もうボクは薄くなっているのだから
空を昇っているのだから
ボクは海を離れて地に上ったよ
まるで浜辺に打ち上げられたクラゲのように
この街にボクを見つける人はいない
もうボクは動かないのだから
心も体も渇き切って干からびたのだから
いつ知れず時はめぐり
ボクをまわりに押しやっていくよ
[DATA : A0030 W0/071020 W1/071214 W2/090818] △ページトップへ
A31
「この世にさよならするには」
この世にさよならするには まだ早い
君はこの世が与えてくれたものを
ただ受けて 生きて 死んでいく
君はこの世に与えてあげられるものを
まだ返さず 生きて 死んでいく
この世にさよならするには まだ早い
君はこの世が与えてくれたものを
ただ受けて 生きて 死んでいく
君はこの世に受け継ぎ渡すものを
まだ返さず 生きて 死んでいく
君よ ふんばり がんばり 生きるのだ
君よ 諦めず しがみつき 続けるのだ
それが何らかになるからやるのでなく
それが何にもならないからやめるのでなく
この世は充分すぎるものを与えてくれた
君は充分に生きればいいのだ
悲しみも苦しみも耐えがたき苦痛も
君が与えられているものからみたら
取るに足らないものだから
君は迷わず 生きればよい
君はただ 前に進めばよい
生き抜くことが人生だと
呼吸できていることが 生きていることだと
時間は流れゆき 生死が人を分かつとも
君はこの世にしがみつけ
あちらには何もない
この世にさよならしても どこにもいけない
あの世も この世にしかないのだ
君が君である限り
君は黙って生きていけ
誰もあてにせず 誰にも頼らず
あてにされたら 頼られたら それに応え
誰に何と言われても 気にせず
何もうまくいかなくとも 苦にせず
絶望的に落ち込んでも めげず
誰にも相手にされず
いかに屈辱にまみれようとも
ただ その歩みを止めるな
呼吸を止めるな 生き続けろ
この世にさよならするには まだ早い
[DATA : A0031 W0/100124 W1/100203 改訂]
A32
「めざめる」
ある日 目覚めると 世界は変わっていた
家の中も窓の外も すべてが違ってみえた
まるで雪景色のように 一変してしまった
僕の着ていたものも なくなってしまっていた
僕はこういうとき 昨日の手がかりを探す
いつもなら 夢からさめて
昨日と同じものをみつけて
そこから 昨日と同じ世界を組み立て
また昨日のように生きていくのだ
シシフォスの神話のように
でも今日は違った
僕は昨日を探さなかった
昨日までの自分を追い払い
家族も友人も探さず
携帯も投げ捨てて 僕は目をつぶっていた
そんなことが可能だろうか
その問いは
なぜ不可能だろうか
可能だろうと
変わっていった
神話を脱して 僕はどうなるのだろう
でも それを僕は自ら書き始めようと決意した
目覚められなくなるまえに
目覚めよう
目覚められなくなるまえに
目覚めよう
[DATA : A0032 W0/100124 W1/100203 改訂]
A33
「DEMANDS」
皆は僕に求めるいろんなことを
これはできる? あれはできる? それならそれは?
僕は頭を抱えてしまう 動けなくなってしまう
そんなにたくさんできないよ
いや 一つもまともにできないよ
ママは怒る パパは呆れる
彼女はみてる ああ最悪だ
君の前では 何でもやりたいのに
君の前では さっさと片付けたいのに
君は居心地が悪くなったの?
いつの間にかいなくなる
消えてしまいたいのは この僕なのに
ああ いつまでこんな日が続くのだろう
そんな心配はいらなかった いろんなことを
これはできない あれもできない それどころかそれもなんて
僕は心を病んでしまった 何にも感じなくなった
そんなに大したことでないよ どの一つもマジメにやれないから
ママはおめかし パパと出かける 彼女はどこだ? どこにもいない
ああ最高だ 君がいないと何でもやれる
君がいないと 僕は神のように振る舞える
居心地のよくなった僕は いつの間にか眠ってる
消えてしまったのは この僕
いつの日にか ここに帰るときがくるのだろうか
[DATA : A0033 W0/100521 W1/100529 W2/100611]
A34 「ぬけがら」
愛を求める心が行き先を失ったとき
私の心の炎は沈んでいた 深い海の底に
二度と燃えることがあるとは思わなかった
私は生きていたが死んでいた 死んでいるように生きていた
それがたった一目 あなたのその眼をみたときから一発点火
すべてが変わった 大炎上 こんなに単純でよいのだろうか
こんなにすべてがかわるのだろうか
いったい今までの私は何だったのだろう
私の心は 何という腰軽なのだろう
愛を求める心は 行き先を決めかねている
私の胸の炎は燃えていた 明るい太陽の下で
また燃え尽きることがあれば もう立ち上がれない
私は生きていたが飛べなかった 飛ぶために生きていたのに
でも心には翼が生え 思いはあなたの元に そして
すべてが奪われた こんなに気持ちは華やぐのに
こんなに身は重く心はせつない もう沈むところさえない
今の私はぬけがらのように 何もない
[DATA : A0034 W0/100521 W1/100529 W2/100611]
A35 「白いハンカチ」
恋をしたなら ハンカチをもちなさい
真っ白の新しいハンカチを
そして 心を白く保ちなさい
汚れがついたら すぐに洗い流しなさい
しわがついたら すぐに伸ばしなさい
それが恋を続ける秘訣なのです
その汚れに気がつかなくならないように
いつも白いハンカチをもちなさい
めんどうでも いつもながめていなさい
目がくもっているときは 目をこらし
眠いときにも 目をさまし
見えないときも 心の眼でみなさい
恋をしたら 白いハンカチをもちなさい
[DATA : A0035 W0/100521 W1/100529 W2/100611] △ページトップへ
B
B1
「クアラルンプールの青い消火器」
あたし、青ざめた
消化器官、やられてる
ねえ、ドリアン
何が悪かったの?
パパイヤ、スターフルーツ、ライブータン、アイスカチャン?
消化しきれないジャンクフルーツ?
ねえ、ドリアン
何が悪かったの?
睡眠不足、風邪気味、シャワー行水、ドタ寝
消化しきれない強行日程?
ねえ、ドリアン
何が悪かったの?
ハライタ、ハライタ、ハラがイタイ
消化しきれないクアラルンプール
ゲリゲリゲリゲリ
消化しきれないクアラルンプール
腹痛死にそう、のたうち、ころげる
ああころげるんプール
〜マレーシアはなぜか消化器が青色、そこにブルーな気分をかけた
[DATA
: B0001 031214/060528改訂]
B2
「サーステイ 汚されたお茶と水」
のどかわいた
のどかわいた
のみたいんだ
のみたいんだ
農業まみれのお茶の葉に
昔の8分の1もミネラル入っていない野菜食べてる
サプリが必要、サプリで補強!
それなきゃ、そうしなきゃ!
あたし生きていけない
あたし死んでしまう きゃ、きゃ、きゃ
まるで原爆、枯葉剤
降りそそぐ 21世紀
降りつもる 21世紀
夢も希望もありゃしない
[DATA
: B0002 060210/060528改訂]
B3
「外見外観快感ソング」
ガイケンなんかで判断しないで
あたしはコギャルじゃない
立派な大人の女の子のつもり−
ガイケンなんて気にしない 人は他人だから
なんて芯のあるあたし オラ オラ オーラ
オーラでまくり ケツまくり
でも、いいもの着たら
街に出たくなるな、あたし ときめくあたし
変装つけたら、心も見破れない
眉毛も、髪も、アイシャドウも 付け替え自由
教えてあげる、この顔なんか簡単に変わるのよ
コスプレメイクで うきうきするあたし
夜の都会に心地いいあたし
今日もブランド 目であさるあたし
買わないところがいいあたし
今日は巨胸でいこうかしら
男は車で判断するあたし
占いで服も色も方角も決める
そういうあんたもヅラじゃない
男の金にひかれるあたし
でも男の誘いにのれないあたし
[DATA
: B0003 060210/060528改訂]
B4
「イチ、ニッサンのゴーン(過ぎ去っていく日々)
もとい、ゴーン with the wind」
1.マネーに負けた あんたに負けた
家族のため、村のため、会社のため、日本のために
あたしゃ働いてきた 何が悪い
世の中のためとはいわないが
あたしゃ生きた 働いた そして干された
2.夢に破れた あんたは嫌い
日の昇る国ニッポンの 日の丸背負って お国を何千里
あたしゃ戦ってきた 何が悪い
世界のためとはいわないが
あたしゃ生きた 働いた そして干された
3.ゴーンに負けた あんたはすごい
勝てば官軍 進駐軍 外国人ブランドに弱い日本人
あたしゃ働いてきた 何が悪い
あんたのためとはいわないが
あたしゃ考えた やった そして負けた
4.はげたかに敗れた あんたのせいよ
あたしの会社はM&A あたしの机はなくなった
あたしゃ戦ってきた 何が悪い
会社のためとはいわないが
あたしゃ笑った 怒った そして泣いた
5.ITって何よ あんたはずるい
人の心は金じゃ買えない 黒船 Tシャツ 平成維新
あたしゃ踏ん張ってきた 何が悪かった
坂本リョーマとはいわないが
あたしゃやめた やめさせられた そしてホームレス
[DATA
: B0004 060210/060528改訂] △ページトップへ
B5
「毒出しロックンロール」
ペパーミントティ お通じ改善
出して出して出しまくれ
出して出して出しまくれ
毒出しロックンロール
有害金属出しまくれ
サプリメントに岩盤浴
断食ににんじんジュース
スローライフにロハスに
ああ、今宵、あたしらは 心のデトックス
自浄よ 自浄よ 自浄よ 自浄よ
ムリに出さないで
ムリに出さないで
汗出し 脂出し カロリー出して
たばこもつばも吐き出した
肩こり、低血圧、くそくらえ
あたし内からきれいになるんだから
あたし内からきれいになるんだから
出して出して出しまくれ
毒だしロックンロール
有害金属だしまくれ
[DATA
: B0005 060210/060528改訂]
B6
「そんな目線でみないでヨ!」
そんな目線でおれをみるな
憐れんだ目をおれに向けるな
影の薄い男だって この髪には触れるな
かっこわるい ―
こわい ―
めんどくさい ―
傷つきたくない ―
おれはちがう ちがう ちがうといいながら
おなじ おなじ こいつらとおなじ
あの頃のおれはどこへ行った
ちがうちがうといいながら
ちがうといっていることさえおなじ
あの頃のおれを見失ってしまった
野良犬も野犬だった
狼のように、吠えていたんだ
そんな目線でおれをみるな
憐れんだ目をおれに向けるな
そんな目線でおれをみないでヨ!
[DATA
: B0006 060210/060528/060604改訂]
B7
「それでイインダンカイ、段階の団塊世代へのエール」
(よりそって生きようロックンロール!)
1.NPO 年金 人材センター
あるものによりそっていこう
よりそって生きよう よりそって生きよう
今までそーして生きてきたから
今までそーしてきたのだから
2.ソバ打ち ペンション経営 新しいことやるより
長いものに巻かれて生きよう
よりそって生きよう よりそって生きよう
今までそーして生きてきたから
今までそーしてきたのだから
3.誰かのやっているものに なけなしの退職金 起業でふいにするより
長いものに巻かれて生きよう
よりそって生きよう よりそって生きよう
今までそーして生きてきたから
今までそーしてきたのだから
4.新しく娘らの年頃の若い人と ムリして仲良くするよりも
古き友とよりそって生きよう
よりそって生きよう よりそって生きよう
今までそーして生きてきたから
今までそーしてきたのだから
5.年金401Kでなく、郵貯で目減りさせず、よりそって生きよう
サラリーマンは、死ぬまでサラリーマン?
よりそって生きよう よりそって生きよう
今までそーして生きてきたから
今までそーしてきたのだから
6.それでいいじゃないか おれの人生 立派なもの
娘も育てた息子も育てた あとは
よりそって生きよう よりそって生きよう
今までそーして生きてきたから
今までそーしてきたのだから
[DATA
: B0007 060210/060528/060604改訂]
B 8
「冬のモモンガ一人旅」
冷たい風が樹々をゆらす
霧氷 空に舞いちり 細雪
冬の陽に雲母のようなキラメキが
僕の心に降り注ぐ
今日は寒い どうしようもなく寒い
あなたのいない 冬の山
僕は肩をすぼめて 衿元を直し
一人ただ歩く
頭に降り注ぐ雪に 目の前の道を見失い
僕は立ちすくむ
肩に積もる白装束、僕は一本の木となる
僕は一本の木となる
あなたの面影灯りのなかに消え
北風が心に突き刺さる
けものたちはなりをひそめ 森は凍てついた
僕の息は白く凍りつき、きらめくガラスの粉を吐く
木の葉の下でなりをひそめるネズミたち
ぬくもりは消えて、今はただ思い出すだけ
モモンガは、もう枝々を飛ばない
口にくわえたツマヨージ、ペッと放って
冬のモモンガー一人旅
[DATA
: B0008 060210/060528/060604改訂] △ページトップへ
B9
「誰も知らない海の中の私 ポセイドン」
見えない海の底 何もそこにはなかった
僕はもぐってもぐって 息苦しくなった
ただ急ぎすぎて 見なかっただけ
皆 消えてしまった
豪華なシャンデリアも 調達品もピアノも
プクプクプク
もう あがらない この船の
深く沈んだ 愛
二度 まわらぬ折れたスクリュー
[DATA
: B0009 060406/060629改訂]
B 10 「さいごの日−ジャポンビューティ」
逆算の人生 いつも いつも 逆転 逆算ギャグ
反逆 加虐 残虐で 自虐ギャグ
逆回りさせてやれ 逆回りさせてやれ
君も僕も赤ん坊になるまで
そして もう一度 生まれることを選ぶんだ
自分の意志で もう一度 再生する
そして もう一度 君と出会うんだ
[DATA
: B0010 060406/060629改訂]
B11 「フラメンコ・オーレ」
ギターかきならし フラメンコ
踊れや踊れ 朝まで踊れ テキーラに酔いつぶれ
下から見上げたところに 君の瞳 美しかった
星がまばたきゃ 夜風が冷たい 月の光
そのまま 僕は天空の向こうへ昇りゆく
シャリ シャリ シャリ オレオレオーレ
ギターつまびきゃ セレナータ
まわれやまわれ 夜は更けゆく 音色は鳴りひびく
葉巻ふかしてマフィア気取り 君の唇 熱かった
煙に巻いて口説こうと 流れゆくガスライト
そのまま 僕はベットの下へ悶絶 落ちゆく
シャリ シャリ シャリ オレオレオーレ
[DATA : B0011 070807/071023改訂]
B12 「パーフェクトウーマン」
1.戦いも 平和も がんばっている人には敬意を捧げ
だけど私は眠りにつく 夢におちる
枕抱きしめ Zzzzzzz・・・
これ以上の怒りも哀しみも 微笑みも今はいらない ご勘弁
私は私 パーフェクト 完璧なままに美しいの
誰も私 変えなくてよいの このダイヤは傷つかないわ
2.社会も 会社も 働いている人には感謝をしつつ
私は起きがけのコーヒー ゆっくり飲みほす
薬指たて Zzzzzzz・・・
これ以上の哀れみも同情も 助けもいらない
私は私 パーペキ 完全無欠に強いの
誰も私 触らないことよ あの世までぶっとびたくなきゃね
[DATA : B0012 070807/071023改訂] △ページトップへ
B13
「だからあたしは歌が好き」
お金もいいけど、歌っているあたしが好きだな
幸せだもの メロディにのせ 気持ちいいもの
そこであなたがほほえんでくれたから
そこであたしがやさしくなれたから
だから あたしは歌っていくの 歌が好きだから
ケーキもいいけど 走っているあたしが好きだな
愉快だもの 流れる汗 すっきりするもの
そこであなたと出会った
そこであたしが気づいたのだから
だから あたしは走るの 走るのが好きだから
旅行もいいけど 料理つくるあたしが好きだな
おいしいもの 口一杯に ごちそうひろがる
そこであなたが喜んでくれたから
そこであたしが親切になれるから
だから あたしはつくって食べるの 料理が好きだから
[DATA : B0013
071029/071214改訂]
B14 「メガネをなくしたボクちゃん」
ボクはいつ メガネをなくしてしまったのだろう
走りたくなったとき
いつのまにか メガネは外れていた
それに気づかず 走っていたボク
その眼には何も見えてなかったのか
ボクはいつ コンタクトにしたのだろう
探したくなったとき
考えてみたら コンタクトなんかしてない
それに気づかず 探していたボク
その眼には何も見えてなかったのか
ボクはいつ 目が見えなくなっていたのだろう
愛したくなったとき
自分の目で しっかりと見ていなかった
それに気づかず 愛していたボク
その眼には何も見えてなかったのか
恋は盲目 こんなオチじゃ あんまりだろう
[DATA : B0014
071029/071214改訂]
B15
「サンゴは戻らない」
CO2 6%と 他国に差をつけて大きく目標を掲げたのに
6.4%に増やした日本バンザイ 漫才!
流氷が早まり ヒグマは眠らない
あわびがとれない みかんが腐る
でかい家 車を捨てようよ
ニュータウンも ショッピングセンターも 工業団地も
もうやめなきゃ
病院が潰れていく
お年寄りがいつけない
救急車は永遠に足りない
病院はシッコだらけ
医師は過労死 患者が面倒みる
ム所の囚人 ボケて番号覚えられない
おいしいケーキは運ばせろ
メタボビジネス 環境ビジネス
世紀の暗殺 ビジネス暗礁する
どんどん変わった日本
これから戦争も環境破壊もどうなることやら
ぼくらはどこに住んでいけるのだろう
ぼくらはどこで生きていけるのだろう
[DATA : B0015 W0/080609 W1/080630改訂]
B16 「穴」
私はまだこの世界の片隅で
一つの穴を掘っている
逃げたい穴
入りたい穴
隠れたい穴
一人で眠りたい穴
心の安まる穴
あなたの夢をみれる穴
冷たく冷え切った地面も
あたしが掘り返し
凍てついた土も
あたしが抱きしめ
温めてあげる
あたしの熱を
この体の熱のすべてを
あなたに与えたい
たとえあたしが冷たくなっても
その熱が土をあたため
あなたを生かす
たとえあたしが穴の中に入って
永遠に眠ってしまっても
それはいつかはそうなることだから
それはいつも望んでいることだから
せめて そのまえに
あなたを温めさせて欲しいの
[DATA : B0016 W0/080425 W1/080603 W2/080821改訂]
B17
「ケーキは誰のもの」
ケーキが悪い ケーキが悪い
ケーキのせいにするな ケーキのせいにするな
一国の総理が「日本だけじゃないでしょ」なんていうな
不透明感 見通しがたたない
環境が悪いなんていうな
GDPが減ったって 伸びてるやないか
よいとこみよう よいとこ伸ばそう
そして皆を その気にさせて
皆でひっぱっていこう
[DATA : A0027 W0/080425 W1/080603 W2/081208 W3/100126改訂]
B18
「美サイレント」
立派に建てた病院から 医者がいなくなる
立派に立てたホールから 歌声が消えていく
美しい日本から 美が消えていく
美サイレント
[DATA : B0018 W0/080425 W1/080603 W2/080821改訂] △ページトップへ
C
C1
「呼吸」
呼吸のなかの地球
捨てたものを片付けることなく歩んできて
地球が大きいことだけを知って
丸いことを知らなかった
いや 習ったはずだ 何たる落とし穴
平らなら 戻ってくるはずのない道を
僕は 飛行機で知った
いつの日だったか 冒険家たちが
何日もかけて船で確かめたように
平らだから行っては戻ってくる生活の道を
地球が丸かろうが 平らであろうが
行く道 そして 帰る道を
僕たちは大事にしていればよかった
それが皆で好き放題するから
空まで ラクガキしちまったから 地球の裏の人まで
それを見なくてはいけないはめになる
地球は同じ向きにしか回転しない
太陽が東からのぼり 西から沈む
もし逆に回転したら すべてがうまく行きそうな気がするが
それは僕らの過去と同じく 取り戻すことはできない
何よりも一瞬止まったそのときに
あのやさしい太陽は怒り狂い
地球などジュワっと 燃やし尽くしてしまうだろう
だから 同じ方向に歩み続けなくてはいけない
ひと休みすることもなく
それは 地上に生まれたものの宿命
そして 地球も同じ運命を課せられている
地球の上では行ったり 戻ったり
できているつもりだけれど それもまた
時間の軸では 行き続けているだけなのだ
自由になる空間など これぽっちもない
一時も止まらない時間の中で
僕らはつかの間の呼吸を許されている
永遠だとか 永久だとか 雄大だとか 宇宙だとか
いってみたところで その一呼吸の大きさでしかないのだ
僕らの呼吸のなかで 地球があるようにみえて
地球の呼吸のなかで 僕らは寄生しているにすぎない
[DATA
: C0001 060629改訂] △ページトップへ
C2
「夢(1)」
ひややかに 彼女はみていた
だから 僕は夢をみてしまったんだ
夢はきらいだ
脈絡がない 論理がない 節度がない わきまえがない
ふつうは思い出すごとにはっきりとしてくるもんだ ものごとは
ところが この夢ときたもんにゃ 思い出すほどにぼやけてくる
それどころか 場所や人物が入れ替わったり なくなったり
思い出すことがなくなって 少しずつ自分が創りはじめている
“あっ 違う”
僕は 僕が創りだしたものよりも 夢の中でさえ
自分が見聞したものを大事にしたいと思っていたのか
その問いを発しては 正しく思い出そうとするのだが
何を正しくみたのか わからない夢では
それさえも かなわない
[DATA
: C0002 060629改訂]
C3
「夢(2)」
夢の中にこそ 本当のものがあった
夢の中にこそ 偉大なものがあった
夢の中にこそ 美しいものがあった
夢の中にこそ 善なるものがあった
夢の中にこそ 真なるものがあった
と思いたいのだろうか この僕は
“夢だからこそ 何でも都合のよいように思えるのさ”と もう一人の僕がいう
“だから 夢を描けっていうのさ”と 別の僕がいう
僕がいうくらいだから 僕はそのことをよく知っている
でも 僕の夢は そんなに お天気ではないのだ
いや どちらかというと いつもどんより ときにどしゃぶり
晴れて爽快になるような夢を 僕は長い間 ずっと見ていないのだ
長い間 見ていないと思っているのは僕だけで
本当に生まれて一度たりともそんなによい夢をみたのか
考えてみれば 疑わしい
夢だから思い出しようもないし 思い出したところでしかたない
きっと そう僕が思いたいように思ってしまうのだから
というのなら もっとまっとうな夢をみさせて
目覚めたときくらいは スッキリさせて欲しいと思うのだが
そんな夢は ほとんど覚えていない
といっても 年に何回かは 目覚めてスッキリしたこともあるから
そんなときは きっとよい夢をみたのだろうと思えばよいと思ったのだ
思ったらスッキリしたのだが
僕にとって よい夢とはどんな夢だったのだろうと思って
また眠れなくなってしまった
いつかくるのか 本当に心地よい夢心地
[DATA
: C0003 060629改訂]
C4
「旅
または 冒険」
天は こうして才能を死んでいくものに与える 死の代償として
それを知ってか 知らずか 勇なき者は それをのぞこうとしない
そして それを選んだ数少なきものたちの
持ち帰るものを宝のようにながめている
超えたものたちは知っている
それは宝でもなんでもない ただの珍しいもの このあたりにはないもの
本当の宝は あまりにも大きく 重く 深く まぶしく 持ち帰ることはできなかった
そこで 数少なきものたちは 二度とそこへ行かなくなる
ところが そのなかで さらに数少なきものたちは
再び歩みはじめる とりつかれたもののように
世間は半ばあきれ 半ばエールをおくる
今度は何を持って帰ってくるのか
数少なきものたちは 半分ほどしか戻ってこない
しかも 持ち帰るものは 前と同じ宝なのに 皆はもう感嘆の声もあげやしない
また同じようなものか そういわれて 数少なきものの半分の大多数も
もう 二度とそこに行かなくなる
ところが その中でたった数人は 再び歩みはじめる
何にとりつかれたのか 世間は もう皆あきれて 近づくものもない
彼らはそこで みた 戻ってこなかったものの残骸たちを
それをみて 3分の1は戻った 今度は何も持たずに
3分の1は そこで息絶えた
そこでわずかに3分の1 先に進んだものがいた
彼らがどうなったのか 誰も知らない
しかし こうした話が伝わっているのを見る限り
彼らのうち 誰かは戻ったのだろう
どこにかは わからない 彼は伝えただろう
何をかは わからない 彼は死んだだろう
いつの日だったかは わからない
何を持ち帰ったのか わからない
どこに持ち帰ったのか わからない
それはきっと あなたの胸の中にある
少しでも この話に何かを感じられるなら
しかし 歩みはじめるのかどうかは あなたの問題である
[DATA
: C0004 060629改訂]
C5
「にじまぬ涙」
男が大声で話して歩いている
けいたい片手に話している
なんだか軽いけいたい
けいたい軽くなり、男も軽くなる
手紙をしたためていた 男のひたいに
汗ひとしずく 筆をにごして
男は便箋を破き、万年筆をインクツボに落とした
届いた手紙に女は涙を二、三滴
にじんだ便箋 陽水の曲は聞こえない
晴れたり 曇ったり 心もよう
赤い便箋なら 紫になっただろう
けいたいに、汗は油
涙は雨 はじいて落ちる
男が涙声で話してつっ立っている
[DATA
: C0005 060728改訂] △ページトップへ
C6
「惜春」
夢はこの手にあふれ、こぼれることも気にせず
走っていたから 永遠に続くと思っていた
若い日のそれは、ただ、あやまちだったのか
それとも誰もが通る道なのか
夢は去りゆく 気づいたときは
はるかに遠く もう戻らない
時よ 行かないでおくれ
人生はあまりに短く やるせない
愛をこの手で求め、情熱のおもむくまま
飽くことなくわがままに浸ったから
僕一人のものだと信じてた
恋は盲目、それはただ見えていなかったのか
それとも皆もそうささやいていたのか
愛は去りゆく 追いかけてみても
ずっと遠く もう消えてしまった
時よ 行かないでおくれ
人生はあまりに短く やるせない
友はこの手をつかみ、その目をみず
顧みることもなく振り切ったから
一緒に生きることをあきらめ
お互いの話もしなくなったのは
それとも語ることを恐れてしまったのか
友は死んだ 便りが着いたときは
もう向こうに逝っちまった
時よ 行かないでおくれ
人生はあまりに短く やるせない
[DATA : C0006 070807/071023改訂]
C7 「あるとき人は気づく」
あるとき人は気づくんだ 天使がすぐそばにいることに
いつもささやき続けているのに いつも聞こえない
あるとき人は気づくんだ 天使の囁いている声に
いつも大切なことを教えてくれているのに いつも聞かない
あるとき人は泣くんだ 死神が大切な人を奪って
もう生きる気力もなくしてしまうのに いつか立ち直る
あるとき人は怒るんだ 悪魔が欲をむき出させて
ひどいことをやらせようと いつも苦しませている
あるとき人は笑うんだ 赤ん坊が生まれて
とても大きな幸せをくれて その子に悩まされる
あるとき人は悲しむんだ 恋が実らなくて
死んでしまいたいと思っても また人に慰められる
あるとき人は生きるんだ 生きていることに気づき
もっと生きたいと願い 本当に自分の足で歩むんだ
あるとき人は見るんだ 天使がすぐそばにいるのを
そして 悔いたり嘆いたりしながら 人生に別れを告げるんだ
[DATA : C0007
071029/071214改訂]
C8 「ボクは何も恐くない この命ある限り」
ボクは何も恐くはない たとえ悪魔がこようと
ボクから奪えるものは何もない
ボクはボクのやりたいことを たとえ何といわれようと
ボクの納得のいくまでやるだけだ
ボクはあなたを愛し たとえあなたに愛されなくとも
ボクの祈りは 揺らぐこともない
ボクはあなたと共に生き たとえあなたに捨てられても
ボクの信じるこの心は 神とともにある
ボクは何も恐れやしない たとえ住むところがなくとも
ボクは地をはってでも 生きていく
ボクはボクのやるべきことを たとえどんなにうまくいかなくとも
ボクの生きる限りにやっていくんだ
ボクはあなたに愛され たとえあなたがどう思おうと
ボクの感謝は変わることがない
ボクはあなたの元に生き たとえ誰もあなたを信じなくなっても
ボクの生きるこの命は 神とともにある
[DATA : C0008
071029/071214改訂]
C9 「たった2行の人生なんて」
「何年生まれ、何年死す」
このたった2行の人生のために、オレは生きている
そこに何かを付け加えるため
このままでは死ねないから
たった2行で終わるのはごめんだ
「何年生まれ、何年死す」
このたった2行の人生のために、オレは生きている
そこに何をみつけるため
このままではみえていないから
たった2行で終わるのは耐えられない
「何年生まれ、何年死す」
このたった2行の人生のために、オレは生きている
そこで誰かと出会うため
このままでは出会ってないから
たった2行であなたと会わずにいられない
「何年生まれ、何年死す」
このたった2行の人生のために、オレは生きている
そこで誰かを愛するため
このままでは愛してないから
たった2行でどこまで愛し切れるだろう
「何年生まれ、何年死す」
このたった2行の人生のために、オレは生きている
そこに何もかも味わうため
このままでは死ねないから
たった2行で終わるものだから
[DATA : C0009 071010/071018改訂]
C10 「あきらめても生きていよう」
あきらめよう もうだめだ
何もかもうまくはいかない
何一つ うまくいかない
すっかり忘れて すっかり投げて
今はただ 眠りを貪ろう
せめて 朝がくるまで ぐっすり眠ろう
今はただ ひっそり身をひそめよう
せめて 生きているだけでいい
今はもう 息だけしていよう
せめて 明日になるまででいい
生きていよう それを繰り返すだけ
生きていよう それだけでいいときもある
生きていよう それだけは続けよう
生きていよう それをやめたら何にもならない
生きていよう いつかよかったと思える日が来るから
生きていよう いつかよかったと必ず思うから
生きていたら 生きていたら で 生きていよう
[DATA : C0010 W0/080425 W1/080603 W2/081208改訂] △ページトップへ
C11 「神の思いのままに」
「なぜ、私が」と
そう思って亡くなっていった人も多い
死のノックはあまりに突然で
ノックの音もなく灯を消される者もいる
私もそういう予想をしておくことで
そういう事態にならないことを避けているのかもしれない
助かった人 助からなかった人
それは ときに 神の弄びかのようにいわれる
神のせいにでもしなくては、救われない不条理
いや 神のせいにしても 救われないが
そこで 神の存在 サインに意味がある
が その意味はほぼ 同時に消えてしまうのだ
このようなレトリックを弄しても
現実は何も変わらず ただ 受け入れるしかない
そこで 自分が変わるしかないという 結論にいたる
ところが この自分というのが 自分であるから
変わるのは容易でない
それゆえ 自分なのだから
でも 神の気まぐれに翻弄されるよりも
自ら変わることを望む方がまし
運命と宿命 それもまた
神の手のひらで転がされている
私たちはいつも残された生を生きるだけ
でも それも捨てたものじゃないさ
[DATA : C0011 W0/081023 W1/081112 W2/081211改訂]
C12 「僕は詩人だった」
人生を折り返して
僕はようやく 向こうを走っていた
僕の姿をみた
わずか一瞬 それで充分だった
僕はその男の顔に ただ絶望した
それでも僕は走っている
それでも僕は走っている
もう一つ そいつに
すれ違うことがあったらと
僕は気づかなかった
そいつは僕に教えてくれた
実は僕は詩人だったと
なのに 今まで 何をやってたんだ
[DATA : C0012 W0/081023 W1/081112 W2/081211改訂]
C13 「永遠の魂」
某年某月某日 何某は殺された
某年某月某日 何某は死んだ
忘れられない人がいて
また忘れられる偉人の魂は
その名とともに残る
そこに救いを見いだそう
市井の名もなき いや 名を失われし人よ
人が人を裁く そこで起こった悲劇ゆえ
愛されしものは 生を永遠にする
死んでゆく私と関係なく
まわりも 時代も 同じところをまわる
変わりゆくのは 私だけなのか
生命奪われ 肉体は朽ちていく
死に切れずに生き残った輩たちに命ず
死に敬意を そして 死者を称えよ
某年某月某日 私の魂は地上を離れる
残されたものに悲しみを
怒りを あきらめを そして永遠を
(「サルバトールの朝」をみた日に)
[DATA : C0013 W0/080609 W1/080731改訂]
C14 「春夏秋冬、そして春」
あなたは春の訪れを野や山で迎えたか
あなたは夏の暑さに汗を流しきったか
あなたは秋のさみしさにほおをぬらしたか
あなたは冬の寒さに歯をならし、かじかんだか
そして、あなたに本当の春がきたか
君は、春のけだるさに人を嗅いだか
君は、夏のほこりを人となめたか
君は、秋の紅葉が、それより人が美しかったか
君は、冬の雪に、人の想いに首をうなだれたか
そして、君に本当の本当の春がきたか
[DATE
: C0014 W0/060816 W4/081019 改訂]
C15 「”強くあれ”といった人」
君は僕に“強くあって欲しい”と願うけど
強くあるほどにもろかった その弱さをひた隠して生きてきた
僕は君の大きな瞳を見つめ返して言う
“疲れたときには 疲れたといってもいいんじゃない”
君は僕の声が聞こえないように
かわいらしい口を大きく開いて言う“強くなくては”と
僕は君から目をそらし 汚れた靴先に語る
“つまづいたら 少し休めばいいんじゃない”
君は僕の声を聞かず聞こえぬふりして
真っ青な空をキッと見上げて言う
“強いから楽しいんだ”と
僕は君のなびく髪に目をつぶり こそばゆい頬につぶやく
“体壊したら 元もこもないんじゃない”
次の瞬間 君は風に乗って舞い
遠いところへ消えてしまった
あの夏の日の あの暑かった午後
君の瞳も 君の微笑みも 君の髪も 君の言葉も
永遠に失われてしまった
いったい僕は何を見ていたんだろう
いったい僕は誰と話していたんだろう
いったい僕はどこに行こうとしていたんだろう
いったい僕は何をしようとしていたんだろう
いったい僕は誰が好きだったんだろう
いったい僕はどこに惚れていたんだろう
失われた熱は、僕の心を冷えさせる
失われた想いは、僕の目を閉ざさせる
失われた歳月は、僕の記憶を飛ばしていく
失われた場所は、僕のひざにおやすみを
失われたことばは、僕の脳内をさまよっている
失われたあなたは、僕をにこりとせずに見つめてる
[DATE : C0015 W0/060816 W4/081019 改訂]
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C16 「”噂”を信じちゃいけないよ」
分かり合えないからこそ 分かり合えるとうれしい
依存せずに信頼し続けることの難しさを
あなたは教えてくれた
自分にこだわるからこそ 大きくなる不安
今ある自分とありたい自分
そのギャップが 自分のことを考えさせる
場の空気を読むだけの人にはなれるけど
大切な僕を置き去りにしてしまわないように
あなたは教えてくれた
不安が激しくなると 生き方を上げないといけなくなる
孤独と不安を生きることでしか 手に入らないもの
簡単になぐさめられることではまる
いい顔した悪党に背を向け 奴らを置き去りにする
何をしたらよいかわからないことを 悩み苦しみ学ぶのだ
自分としっかりと しっかりとつきあえ
そしたら 全身で人間を求めることだ
人を引きつけるあなたになるために
あなたはあなたを知らなくてはならない
[DATE : C0016 W0/060816 W4/081019 改訂]
C1 7 「一周忌」
僕はまだ その意味を知らない
愛せしもの そして 死せしもの
僕の何かがはじけ 大粒の涙が落ちる
その涙に驚く 僕は知らない
頬をつたう その頬は僕のものなのか
※何が起こったのか 何が起きているのか
悲しんでいるのは 誰なのだろうか
それは僕なのか それとも・・・・
ごめんなさいと 顔をあげられず
ずっとそこに頭(こうべ)をうなだれていた
いつか叱られていたときのように
僕はもう そこに留まっていない
愛せしもの そして 死にしもの
僕は遠く歩んでいた 外国よりも宇宙よりも
その遠さに落ち着き 僕はもがいてた
いったいどこを どこを僕は歩いていた
※何が起こったのか 何が起きているのか
うろついていたのは 誰なのだろう
それは僕だったのか それとも・・・・
引き寄せられ 何ら動けずに
ずっとそこにいたのかも
いつも愛してくれた その声はもう
[DATE : C0017 W0/060816 W4/081019 改訂]
C18 「僕は孤独に」
僕は孤独に強くなった
何度も死にかけるほど不安になったけど
僕は孤独に打ちのめされて
孤独は僕をのみこもうとしたけど
僕は孤独とともに強くなった
何度かがけっぷちに立って
奈落の底をみようとしたけど
孤独に立ったのなら
どんなに目をこらしても見えやしない
孤独は僕を追い込もうとしたけど
僕は孤独によって強くなった
ささげる人もいない花の美しさを
一緒に味わう人もいないケーキのおいしさを
僕は孤独とともに知った
おかげで僕は美しい花の育て方も
おいしいケーキの作り方も手に入れた
孤独よ孤独
僕は孤独の不安のなかで
しっかりと一人で立つことができたのだ
僕は孤独に打ち勝てなかったけど
孤独とともに強くなったのだ
[DATE : C0018 W0/060816 W4/081019 改訂]
C1 9 「御心のままに」
どうせ いただいた命だもの あなたにお返しするもの
私の神様 私はあなたにお仕えします
ほかに何のとりえもない私だから
でも、あなたを信じることは誰にも負けない
その心のほかに 何がいるのかしら
どうか捧げた命だから あなたは受け取って
私の神様 私はあなたをお慕いします
誰の役に立たずに生きた私だから
でも あなたを愛する心は誰とも比べられない
この心は 熱く何もかも溶かします
どうぞお願い命のかぎり あなたに生かされて
私の神様 私はあなたに歌います
家族も友人もいない私だから
でも あなたとともに生きて皆と一緒にいます
この心を 喜びも悲しみもあなたの元にいく日まで
[DATA : C0019 W0/071020 W1/071214 W2/090818]
C 20 「白い花」
さようなら 皆の衆 もう私は帰ってはこないよ
これだけの楽しい思い出の日々は もうこないだろう
さようなら 皆の衆 もう私は満足だ たっぷりだ
この美しい人と過ごした日々は かけがえがない
私は旅に出る 遠いところに
二度と戻らない 遠いところへ
誰しもいつかは旅立つ
でも私は幸せだ 満ち足りていたから
ただ一つ名残惜しいのは、
私の生きた日々に 私の友人 私のものも、
やがてこの世から去ってしまうことだ
伝えておくれとはいわない
でも、ときに思い出しておくれ
さようなら皆の衆 私は生きた 悔いなく生きたよ
私の人生は わがままに一人勝手に
旅立つ私を 許しておくれ
心に白い花束を一つ 置いて旅立とう
私に鮮やかな花はいらない その美しさもみられず
その香りもかげないから あなたがめでておくれ
私には何も捧げないで 私には何もいらない
ただ心に 白い花を大切に 白い花を大切に
いつも心を真っ白に 真っ白な心で生きてください
[DATA : C0020 W0/071020 W1/071214 W2/090818] △ページトップへ
C 21 「哀悼、哀歌 2009.大晦(おおつごもり)」
人間のプライドとて 大きくなるとて
人間ならばゆえ ウハウハと
人のためとすかしてみれば 自分のため
知りつつもできないことを学ぶかな
知りつつも知らないことを学ぶべし
知るとは 知らざりけり
頭を垂れて 開いて生きる
30年前の単語 ふと思い出して懐かしむ
先行きし友の 影を踏ませてもらう
今日ここに生きる我は 生きている
嫌なことは 我の心が嫌なこと
去りし人を 思いやるため 去りしかな
死に別れしなくとも 生き別れてたじゃないか
誰が我をして 詠ませしかな
無心に 無二に 無となれ
人に言うは 我に言うこと
悪人といわれる人に我似てし
悪人といわれるときに安堵する
いい人にならじといい人ぶる
悪人にならじというのが悪人ぞ
寝入るのは死に入るもの
目覚めなば死
死なざらば生
生きていねば死
他人に生きるように 己を生かす
己を生かすとは 他人に生きること
他人はこの世にも 後の世にもいる
他人がいるから 我がいる
我が滅びても 他人がいる
いとおしきは 他人の汝かな
自分以外の人 皆 神様なり
神 君臨して自然となる
何を言われても一理あり
許して許される
許しつつ神となる
先に行くとは 我をおいていくことかえ
先逝くとは 我残されることかえ
嘆いても一人 息しても一人
放さない武器 放さぬペン
残したのは 誰の屁だったのか
逃亡の放屁ならでかくてよい
つながりたいって つながっていない
我も海の子 白髪の
人の雨になれよとおふくろさん
歌うな目覚まし 我気ざまし
毎日、目は醒めるのに、心は醒めぬ
発心、発心、発心こそ
けどられぬよう歩け 猫のごとく
けどられぬよう降りろ 犬のごとく
所詮 猫に及ばず 人の生
所詮 犬にかなわず 人の心
犬のように歩め 猫のようにひそめ
頭を垂れられない 直立歩行
人生ささやかな朝でいい
太陽は見えなくてもあればいい
恵みをもたらせ 人の世に 人の心に
人が明るくなるのを天職という
心に光明 闇あればこそ
そこには 希望あり
そこには もう一度眠れ
もう一つの人生を
[DATA : C0021 W0/091220 W1/100124 W2/100218 改訂]
C22 「歴史1、2 裕さん」
歴史)1
ありふれた毎日を
いつものように歩み
何かしら立ち止まって また進む
そして ありふれた一日が
いつものように 終わり
何となく 今日もまた床に就く
革命も爆発もテロも
起きないが それでも
小さく人々は死にゆき
その死は大きい
古来 歴史の道は
人の死骸に埋まり
千年杉に足元にひれ伏す
小さな体の 人間の
その魂は大きい
歴史)2
ありふれた毎日は
決してありふれてなく
ありふれた一日も
いつものように 終わっていない
何となく終わった今日も
昨日ではない
そう思って
床に就くおまえが
ただ知らないうちに
毎日 小さな革命も
爆発もテロも起きて
それでも 小さく人々は生まれている
未来を永却 人類の道は
滅ぼしてきた 余多の命の
怨念によって
焼き尽くされるだろう
裕さん
ただのスターであった
この男は 祭り上げられ
照れながら はにかんで 笑っていた
純朴で 純粋で 純真で
まっすぐな心と まっすぐな行動で
誰もがそうありたいと思って
そうはできないことを さらりとやった
けがと病いを乗り越えたが
スターらしく逝折した
自分に厳しく 他人にやさしく
裕というふところの深さ
海と酒と歌を愛した男
好きではなかったが 歌ったのだった
もう一度 裕さんに会いたい
死んでも皆にそう思わせる
ただのスターであった
(石原裕次郎さんへ)
[DATA : C0022 W0/091004]
C23 「窓」
カーテンをあけてください
明るい光を入れてください
深い闇の夜が終わったのですから
慈悲深い神の心を見せてくださいませ
そしたら私の身も心も動き出すでしょう
カーテンをあけてください
そこの窓のカーテンを
あなたがそうしてくださるだけで 私は癒されるのです
明るく温かいあなたの光で
私は立ち上がれるでしょう
そしてまた 新しい一日が始まります
私は神に祈りを捧げ 生きていきます
青い空 緑の草 鳥の声も聞こえます
そよぐ風 流れる雲 川のせせらぎ
私のみつめる世界は広く
私の生きる未来はここにあるのです
[DATA : C0023 W0/100521 W1/100529 W2/100611]
C24 「舟にのって」
舟にのって出かけましょう
満月の夜 墨絵の海原を
エンジン音だけをひびかせて
港を出ましょう 月あかりの明るいうちに
あなたを連れて 逃げましょう
逃げられるところまで いきましょう
無謀なこととは承知のことです
でも 陸(オカ)に留まっても同じこと
休むところも 仕事もありません
何もないから 海はやさしいのです
何も見えないから 海は心地よいのです
海の中には宝船 空の上には金の馬車
黙っていても流れていきます
満天の星の下
人の数など知れたもの
人の命などはかないもの
永遠の旅に 舟にのって出かけましょう
[DATA : C0024 W0/100521 W1/100529 W2/100611]
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